高齢者や小児は脱水症を起こしやすい
「脱水症とは、体内から水分だけでなく塩分などの電解質が同時に失われることによって体液が減少し、脳や消化器、筋肉などに生じる異変をいいます。
体液はおもに水と塩分で構成されていて、体温調節や栄養素・酸素の運び込み、不要な老廃物を運び出す役割をもっています。そのため、体内から体液が減少すると、脳ではめまいや立ちくらみに頭痛、意識消失やけいれんなどを引き起こす可能性が高まります。
消化器では食欲低下や嘔吐(おうと)、下痢など、筋肉では痛みに加えてしびれや麻痺(まひ)、こむら返りなどが起きやすくなります。
体液は年齢とともに減少していき、体重あたりの割合では小児が80%、成人が60%、高齢者では50%ほどまで低下します。高齢者が脱水症を起こしやすいのは、このためです。
なお、小児は体液が多い一方で、喪失する割合も多く、さらに自分の意志で水分補給できないケースもあるなど、脱水症を引き起こす原因が多くあるので、やはり注意が必要です」(山口先生)