カリフォルニア州に生息する「ラッコ841」と呼ばれるラッコが、サーファーのサーフボードを強奪する謎の行動を続けていると、米国魚類野生生物局(FWS)が報告しています。
*Category:サイエンス Science *Source:BBC ,@NativeSantaCruz ,FWS
FWSは「ラッコ841」の「気になる異常行動」を観察した後、捕獲して再飼養するため、複数の機関からなる捜索を開始したと発表しました。
カリフォルニア州サンタクルーズ発-米国魚類野生生物局(FWS)とカリフォルニア州魚類野生生物局(CDFW)は、カリフォルニア州サンタクルーズで、5歳のメスのミナミラッコが、この地域でレクリエーションをしているサーファーやカヤックに何度も近づくなど、気になる異常な行動をとっているとの報告を受けている。ラッコはもともと人を警戒する習性があるが、この個体は積極的に人に近づいたり、サーフボードに噛みついたりしている。
— 出典:FWS
BBCの取材に答えたサンタクルーズの写真家、マーク・ウッドワード氏によれば、地元のサーファーたちは「こんなことは見たことがない」と語っているとのこと。
とても不思議なことだ。ラッコがサーファーに近づくことは今までなかった。
— 出典:BBC
先週ウッドワード氏は、盗んだサーフボードの上で穏やかに水面を揺らす、一見穏やかなラッコ841の写真を撮影しました。
しかし、彼女は次第に攻撃的になっているようで、サーファーの手からサーフボードをもぎ取り、ボードに飛び乗ってから持ち去る去る様子が動画に収められています。
数字は、一度人間の飼育下に置かれたラッコにつけられるもので、ラッコ841はもともとモントレー湾水族館で育てられていたラッコです。親であるラッコ723はカリフォルニア州中央海岸で人間に餌を与えられ、慣れてカヤックやパドルボードに近づくようになったため再捕獲されました。
この際にラッコ723が妊娠していたのがラッコ841です。カワウソ841はモントレー湾水族館で育てられたものの、研究者たちは母親の人間好きが遺伝しないよう予防措置をとりました。カワウソ841の世話係は、彼女に餌を与えるときはいつも黒いポンチョと溶接マスクを着用していたと、水族館の広報担当者ケビン・コナー氏はBBCに語っています。
ラッコ841は現在も逃走中で、2匹のカニを持って泳いでいるところを捕獲しようとしたものの、失敗に終わったとのこと。
毛皮貿易によって絶滅寸前まで狩られたミナミラッコは、現在わずか3,000頭ほどしか生存していません。かつては北米の太平洋岸全域に生息していたものの、現在はカリフォルニア州中央海岸の狭い海域にのみ生息しています。
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ラッコによる「サーフボード強盗」相次ぐ、証拠映像あり