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ヤフーが提供する地図アプリ「Yahoo!マップ」の「防犯マップ」をご存知だろうか。
声かけ、痴漢、つきまとい、盗撮など、大きなニュースとしては取り上げられない不審者情報を、Yahoo!マップ上にわかりやすく表示する機能だ。
自宅周辺や登下校ルートなどで発生した身近な事案を確認できるため、「防犯対策を立てやすい」と評判になっている。
子どもが1人で外に遊びに行く機会も増える夏休み。どのような使い方が効果的なのだろうか。
ハフポスト日本版は、Yahoo!マップの「中の人」に話を聞いた。
Yahoo!マップの「防犯マップ」は、2018年から提供が始まった。
「日本不審者情報センター」から提供を受けた不審者情報を、9つのアイコンでYahoo!マップ上に表示している。
例えば、「暴力行為」(暴行や切り付け)、「暴言・おどし」(かつあげや脅迫)、「わいせつ」(抱きつきや露出)、「不審者」(声かけ、つきまとい、にらみつけ)などがある。
そして、このアイコンをタップすると、いつ、どこで、どんな事件が起きたかが一目でわかるようになっている。
クマやイノシシなどの野生動物の出没などを示す「動物逃走」がある点も特徴的だ。
ヤフーは「身近な場所で起きていることを知ることで、危険の回避につながる」としている。
実際に防犯マップを使ってみた。
まずはYahoo!マップのアプリを起動。画面下部を引き上げ、防犯マップをタップする。
検索期間は「1年間」に設定し、東京駅周辺の地図を表示させた上、「このエリアで検索」を押した。
すると、下部に「狙撃」「盗撮」「下半身露出」「痴漢」「ひったくり」などと書かれたアイコンが10個以上表示された。
物々しさから地図上の「狙撃」のアイコンをタップしてみた。
すると、「レーザーポインターを男子生徒に照射した」という事案の概要を確認することができた。
このページでは、このような事案の概要のほか、発生日時、発生場所、実行者の特徴、周辺の施設などが網羅的にわかるようになっていた。
防犯機能では、自宅の住所を登録することもできるため、近所で発生した事案を瞬時にチェックすることができる。
SNS上では、実際に防犯マップを使っているユーザーから「子どもや家族の危険回避に役立つ」「思ったより近所が物騒」「家の近くにシカが出てたのか…」などといった声が上がっている。
記者も、東京駅周辺で事件が発生したという情報をほとんど聞いたことがなかったため、「意外と発生しているんだ…」と驚いた。
なお、Yahoo!マップは、APP StoreとGoogle Playでダウンロードできる。
では、防犯マップはどのような経緯で開発されたのか。また、効果的な活用方法は何か。
ハフポスト日本版は、「Yahoo!マップ」プロジェクトマネージャーの仲井裕紀さん、鈴木宏一さん、同サービスマネージャーの水谷真樹さんの3人を取材した。
ーー防犯マップは2018年に提供が始まって5年がたちました。ユーザーからはどのような声が上がっていますか?
この防犯マップの必要性を感じてくれているユーザー様は多くいます。
SNSでも、「Yahoo!マップの防犯マップをたまに使っているけど、意外と自宅周辺で事件が起きていてびっくりしている」といった声も確認できます。
なお、このような声は多いですね。
皆さん、大きなニュースにはならないけども、近所では意外と事案が発生しているということに驚いておられます。
ーーそもそもですが、防犯マップが開発された経緯を教えてください。
実は、当時の開発チームの責任者が経験した恐怖体験がもとになっています。
当時、開発の責任者が関西から東京に引っ越してきて、夜に1人で目黒川沿いを歩いていたら、不審な人物に声をかけられたそうなんです。
責任者は「知らない土地でより恐怖を感じた」と話していて、こういった実体験から「防犯情報が地図に落とし込めたら安心できますね」と繋がっていった。
このような経緯で防犯マップが開発されました。
ーーどのような人たちにこの防犯マップを使ってほしいですか?
特に、小学生の子どもがいるご家庭です。
小学生になると、学校や塾、習い事など、1人で目的地と自宅を行き来する時間が増えますよね。
Yahoo!マップとしては、その周辺の不審者情報を確認していただき、安全対策を行ってほしいと思っています。
それが危険回避につながります。
ーー特に効果的な活用方法はありますか?
まず、自宅を登録していただき、近所でどういう事案が発生しているかを確認してください。
次に、期間を「新着」で絞り込み、直近ではどんな不審者情報が出ているのかを見てほしいです。
事前にこれらの情報を頭に入れることで、防犯対策も立てやすくなり、子どもに注意を促すこともできます。
また、自宅周辺だけでなく、子どもが遊んでいる公園付近や自身の通勤路などを確認することも効果的です。
不審者情報が出ていれば、帰宅路などを変更して危険を回避することもできます。
ーー「動物逃走」のアイコンも特徴的ですね。
特に夏休みなどのレジャーシーズンは、海や山、地方に行く人も多いと思います。
都会で動物に遭遇した経験がある人はそんなにいないと思いますが、地方では「クマ」などの出没情報は頻繁に出ています。
このような情報をチェックできるのも特徴の一つですね。
また、帰省した際に実家周辺を検索することで、普段住んでいない場所での防犯対策も立てやすくなります。
ーー今回、Yahoo!マップのアプリがアップデートされたと聞きました。具体的には何が変わったのでしょうか。
現段階では、iOSはアップデートが済んでおり、Androidは9月中旬頃を予定しております。
内容としては、ユーザー様から「新着の事件を知りたい」といった声があったため、期間の絞り込みで「新着」というフィルターを加えました。
これまでは、「1週間」「1か月」「1年間」「全期間」しかありませんでした。
これにより、24時間以内に発生した情報もわかるようになりました。
また、視認性を高めるという意味で、アイコンの下部にも事案の種別を表示するようにしました。
例えば、これまでは「わいせつ」というアイコンだけが地図上に出ていましたが、このアイコンの下に「卑猥な声かけ」などと表示するようにしました。
事案の概要を瞬時に確認できるようにするためです。
ーー自分も実際に使ってみて、防犯につながるなと実感しました。
新着情報があれば、通知することもできます。
ぜひ、家族で一緒に防犯マップを確認してください。
身近な防犯について話し合うきっかけにもなりますし、安全な暮らしにつながっていけば幸いです。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
Yahoo!マップの「防犯マップ」を使ってみた。声かけや盗撮からクマ出没まで。あなたの周りの「身近な危険」が分かる