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長引くストライキで経済的に困窮する俳優を、メリル・ストリープやジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツなどのセレブが巨額の寄付で支えている。
映画俳優組合「SAG-AFTRA」の緊急財政支援基金は8月2日、ストライキが始まってから3週間で、同基金に1500万ドル(約21億3900万円)の寄付が寄せられたと発表した。
SAG-AFTRAは7月、ハリウッドの大手スタジオが加盟する映画テレビ製作者協会(AMPTP)との交渉が合意に至らず、ストライキに入った。アメリカ脚本家組合(WGA)も、5月からストライキを実施している。
ストライキはアメリカのエンタメ業界の活動を実質的に停止させている一方で、エンタメ業界で働く脚本家や俳優など多くの人々が深刻な経済的苦境に陥っている。
SAG-AFTRAの緊急財政支援基金は、そういった組合員を経済的に支援している。
同基金の会長を務める俳優のコートニー・B・ヴァンスは「成功するまでどれほど大変だったかを思い出してほしいと訴えたところ、仲間の俳優たちからすぐに素晴らしい反応がかえってきた」と記者会見で述べた。
最初にドウェイン・ジョンソンが7桁の金額を寄付し、多くの俳優が続いたという。
SAG-AFTRA基金が発表した、100万ドル(約1億4200万円)以上を寄付した俳優は以下の通り。
・ジョージ・クルーニーとアマル・クルーニー
・ジェニファー・ロペスとベン・アフレック
・ルシアナ・デイモンとマット・デイモン
・ライアン・レイノルズとブレイク・ライブリー
・レオナルド・ディカプリオ
・ジュリア・ロバーツ
・ヒュー・ジャックマンとデボラ=リー・ファーネス
・アーノルド・シュワルツェネッガー
・ドウェイン・ジョンソン
・メリル・ストリープ
・ニコール・キッドマン
・オプラ・ウィンフリー
著名人の寄付は、ストライキを続けるために必要な経済的な支援になっている。
ヴァンスによると、ギリギリの生活をしている俳優たちがストライキで経済的苦境に陥っており、SAG-AFTRA基金は現在、通常の30倍を超える緊急援助申請の手続きをしている。
「先週だけで400件の申請を受け取りました。私たちの緊急財政支援プログラムは、俳優たちの家賃や公共料金の支払い、家族の食料や命にかかわる薬の購入、医療費を支援するものです」
スタジオの幹部の1人は7月、WGAのストライキについて「我々の最終目標は、労働組合のメンバーがアパートや家を失うまで事態を長引かせることだ」と述べ、俳優たちの怒りを買った。
ストリープは「私もウェイターや清掃員、タイピストをしていた日々がありました。失業していたこともあります。このストライキで、その私がゴリアテとの長い戦いに苦しむ人たちを支援できて幸運です。私たちの仕事から人間性や人間の尊厳、さらには人間すら取り除こうとする巨大企業に、私たちは力強く立ち向かいます」とコメントしている。
ストライキによって大きな影響を受ける組合員のほとんどが、有名な俳優たちではない。SAG-AFTRAによると、組合員の86%が健康保険の資格を得るのに必要な2万6470ドル(約370万円)の収入が得られていない。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。
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「昔は清掃員をしていた」メリル・ストリープやディカプリオら、俳優のストライキに1億円以上を寄付