じりじりと照りつける陽射しに厳しい暑さが続きます。暑さは野菜の出来や価格にどう影響するのでしょうか。スーパーマーケット「アキダイ」(本社・東京都練馬区)の秋葉弘道社長に価格動向を伺いました。
8月の野菜について伺うと、何と「全般的にお買い得」という答えです。ただし8月前半の話で、後半は様子が変わってくるそうです。なぜなのでしょうか。
「特にお買い得なのが、キャベツとキュウリ、トマト、ピーマン、ニンジン、ダイコンなどです。キュウリとダイコンは少し値上がりしても、8月はじめから下がります。
8月はじめくらいからは全般的に安いのですが、お盆を境にほとんどのものが値上がりしていくでしょう」(秋葉社長)
秋葉社長が気にかけているのが異常な暑さです。
「今年は夏が早い感じですね。暑さで野菜の成長が進み、前倒しで出回っています。学校給食需要がなくなっていることもあり、野菜の量が多いのです。
その影響で8月前半は安めなのですが、8月後半には品薄気味になり値上がりが予想されるのです。ピーマンやナスなどは早めに出ているものが多いので心配です。
異常な暑さによる高温障害もあります。いま、平野部の気温がかなり高めですが、高温になるといまある作物がダメになったり、生育がストップしてしまったりするのです。
例えば、ナス、ゴーヤ、ズッキーニのような果菜類です。果菜類というのは、お花が枯れて実がつくものですが、高温になると花落ちしてしまいます。3割の花が落ちれば、出荷量も3割減ってしまう。最近の暑さの影響が、8月半ばの出荷に現れてくるということです。
レタス、サニーレタス、ロメインレタスなどの葉菜類も、8月後半にかけてどんどん上がります。インゲン、キヌサヤ、スナップエンドウは、8月はじめから高めでしょう」(秋葉社長)
さらに、復活してきた国内旅行やイベントなどの需要も重なります。
「トウモロコシは高温で前倒しになっているのに加え、東北の天候も悪かったので、7月末は安めでしたが、8月の最初から高めになるでしょう。お祭り需要もあり、去年と今年では値段が確実に違います。枝豆もいまは安めですが、値上がりします。
大葉、小ネギ類も値上がりします。暑さの影響に加え、今年回復したホテル・会食の需要がかなりあります。産地である九州や静岡で水害もあったので、ここ数年安値だったのが今年の8月は違います」(秋葉社長)
8月後半でもリーズナブルな野菜はあるのでしょうか。
「タマネギ、ニンジン、ジャガイモ、カボチャなどこの時期に、北海道が主産地になってくるものは大丈夫です。これらは8月後半から安定した値段になってくるでしょう。
そのほか、嬬恋(つまごい・群馬県)など高原もののキャベツも、暑さの影響はそれほどありません。雹害(ひょうがい)のようなことがなければ、8月いっぱい安定しているでしょう。キャベツは野菜炒めでも何にでもよいので、ぜひ」(秋葉社長)
おいしい野菜と価格を見極めながらしっかり食べて、夏バテ防止に努めましょう。
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