脚本家と俳優らがストライキを続けているアメリカ・ロサンゼルスで、樹木の剪定を巡り、市当局が調査に乗り出すことになった。
アメリカでは5月に、脚本家組合(WGA)がストライキに突入。その後7月には、映画俳優組合「SAG-AFTRA」もストライキに加わり、公平な労働条件や支払いを求めている。
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ストライキ参加者が真夏のロサンゼルスで抗議をする中で、注目を集めたのがNBCユニバーサルとユニバーサル・スタジオの敷地の外にある樹木だ。
コメディアンのクリス・スティーブンスさんは7月17日、枝が刈り込まれた木々の写真をSNSに投稿し、猛暑の中で影を作ってくれていた樹木が、ユニバーサルによって突然剪定されたと訴えた。
これに対し、ロサンゼルス市監査役のコケネス・メヒア氏は18日、調査を行うと発表した。
メヒア氏は「樹木はロサンゼルスの人々に環境面、健康面で大きな利益をもたらします。特に猛暑の時には」とTwitterで述べ、剪定前と剪定後の写真を投稿している。
一方、NBCユニバーサルの広報は18日、木の剪定は毎年夏に行っているものだが「デモ参加者に予期せぬ困難をもたらした」と声明で説明した。
「私たちはバーラム・ブルバードのフィカスを安全に剪定しましたが、それがデモ参加者に思いもよらぬ問題をもたらしました。ただし、これは意図的ではありません。私たちは資格ある樹木医と提携して、毎年この時期に木を剪定しています。強風の季節に備えて林冠を軽くするためです」
NBCユニバーサルは「私たちはWGAとSAGのデモの権利を支持し、日陰の提供に取り組む」とも述べている。
しかしメヒア氏は19日、樹木の剪定が不適切に行われた可能性があると指摘した。メヒア氏によると、木の剪定を管理する市の道路サービス局は最近、このエリアに許可を発行していなかった。
「道路サービス局に確認した結果、過去3年の間にユニバーサルスタジオの外での木の剪定許可が発行されていないことがわかりました。市も最近、木の剪定を許可していませんでした」とツイートしている。
メヒア氏は、この問題が行政処分または公聴会の開催に値するかどうかを調査するとしている。
NBCユニバーサルの広報は、このメヒア氏のツイートに対するコメントを現段階では発表していない。
また、NBCユニバーサルに対しては、樹木剪定以外の問題も指摘されている。
ハリウッド・レポーターによるとWGAは18日、「NBCユニバーサルが違法にストライキを妨害をしている」とする申立書を全国労働関係委員会に提出した。
申立書によると、WGAは「5月にストライキが始まった後、NBCユニバーサルが大規模な建設工事を開始したことで、歩行エリアが制限されて安全なストライキをすることが妨害された」と主張している。
この申立てに対し、NBCユニバーサルは「我々の複数年に及ぶ建設プロジェクトのタイミングが、デモ参加者に問題を生じさせてしまったと理解しております。引き続き公共機関と協力して、アクセスのしやすさを向上させてまいります」と述べている。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
公道の木を無許可で剪定、日陰を奪ってストライキ妨害か。スタジオ側は否定⇒市が調査へ