オンライン小売の最大手Amazon(アマゾン)の倉庫で働く従業員約900人が賃金と待遇の改善を求めてストライキを行うと報道されています。この期間はAmazonが1年間で最大級のセール「プライムデー」を行なう時期と重なっています。
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報道によれば、ストライキが行なわれるのは英国の倉庫で、同国の「全国都市一般労組(GMB)」が発表した声明をもとにロイターが下記の通り報じています。
米アマゾンの英倉庫でスト、「プライムデー」期間中
英国の全国都市一般労組(GMB)は8日、イングランド中部コベントリーにある米アマゾン・ドット・コムの倉庫従業員約900人が11日から3日間、賃金を巡ってストを実施すると明らかにした。
GMBの声明によると、ストは各日午前と午後に各2時間行う。実施時期は11日と12日のセール期間「プライムデー」と重なる。
— 出典:ロイター
セール期間中のストライキと聞くと「商品が届かないのでは?」といった不安がよぎります。
実はこのようなストライキは過去にも行なわれており、ニュース記事も残っているのでそれを見てみることにしましょう。2019年のBBCの報道は以下の通り。
アマゾン従業員、「プライムデー」に世界規模でストライキ 賃金を「割引」するな
1日10時間勤務のシュトルツ氏は、8秒ごとに商品を1つ、あるいは1時間あたり332の商品を選定しなければならないという。
「私たちが仕事で求められているスピードは、体力的にも精神的にも非常にきつい。時には、けがにつながることもある。要するに私たちは、会社にロボットのようにではなく、人間としての敬意を持って扱ってもらいたいだけだ」
— 出典:BBC
今回のストライキがどの程度エスカレートするかは不明瞭ではありますが、過去の例から推測すると、ストライキが理由でAmazonの運営が深刻な状況に追い込まれる可能性は高くなさそうです。
Amazonストライキに関する2022年のロイターの報道を見ると「グローバルなキャンペーン「Make Amazon Pay」には、30カ国以上で計画されている争議行為がリストアップされている
」との記述があり、このようなストライキの背景にはこうした活動を支援、あるいは扇動している組織が存在することがうかがえます。
ロイターの記事にあった「Make Amazon Pay」を見てみるとこんな感じ。
日本語のページも用意されており「デモやストライキを探す。」というマップが表示されています。
「運動を拡散する。」という項目もあり、素材をダウンロードするとインスタグラムなどのソーシャルメディア用の画像などが用意されており、ヘタなPR会社よりぜんぜんしっかりシゴトをしている印象です。
労働者の安全が守られなければならないことは言うまでもなく、賃上げを交渉を行なう権利を有していることもまちがいありません。同時に、ロボット化がすすむ領域では賃金に対する下向きの圧力は強いのも事実。Amazonなどの大企業は省力化と賃上げの間で極めて難しいバランスをとらければならない状況が続きそうです。
ちなみに、今回ストライキを計画している英国にある倉庫の従業員の時給は15ポンドで、日本円にすると2,700円ほど。参考までに東京都の最低時給(1,072円)と比べると約2.5倍となっています。
なお、記事作成時点においては日本のAmazon倉庫でのストライキに関する報道はなく、セールも予定通り実施される見込みです。
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Amazonで大規模スト、プライムデー狙い撃ちの深刻度