7月も中旬が近づき、九州〜東北の各地では梅雨明けが気になる時期になってきました。
ところで、梅雨入り・梅雨明けは誰がどのように判断して発表しているのがご存知でしょうか。
梅雨入り・梅雨明けを発表するのは、地方ごとの気象台です。
沖縄気象台、鹿児島地方気象台、福岡管区気象台、高松地方気象台、広島地方気象台、大阪管区気象台、名古屋地方気象台、気象庁、新潟地方気象台、仙台管区気象台がそれぞれの地方の梅雨入り・梅雨明け発表を担当しています。なお北海道は梅雨前線の影響が明瞭にならないため、気象庁では発表対象外になっています。
梅雨明けが近づくと毎日、気象庁や各地の気象台の天気予報を担当する部署が検討をして、梅雨明けを発表するかどうか判断しています。
気象庁の発表する「梅雨明け」の決め方には、明確な定義があるわけではありません。
気圧配置の面では、梅雨前線が北上してその地域から離れるか、梅雨前線の活動が弱まって消失するようなときに、梅雨が明けて夏になったとみなすことができますが、その後も様々な要因で雨の降る可能性があります。
気象庁の天気相談所によると、曇りや雨の日が少なくなって晴れの日が多くなると予想され、天気図では梅雨前線が北上して太平洋高気圧が張り出してくると、「梅雨明けしたとみられる」と発表しているとのことです。
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あくまで予報を用いた速報であるため、平年値等の統計に用いられる確定値は、実際の天候経過を考慮して秋になってから更新されることがあります。
昨年も梅雨入り・梅雨明けの期日は秋になってから大幅に見直しがなされ、20日間以上もの大修正となった地域もありました。
日本付近の天候は、8月上旬頃に夏の盛りを迎えるため、その頃まで曇りや雨の日が続いてしまうと、その後やってくる秋雨の季節との区別ができなくなってしまうからです。
このため、8月7日前後の「立秋」の頃までに梅雨明けを判断できない場合、「梅雨明けを特定しない」として統計記録されます。
2020年の東北北部では梅雨明けの発表がありませんでした。また、昨年の北陸地方と東北地方は、6月〜7月にそれぞれ梅雨明けの速報的な発表が行われたものの、後日の見直しにより「梅雨明けを特定しない」と記録されています。
このため、これまで本州の南北に行ったり来たりを繰り返していた梅雨前線が、今週は日本海〜北日本方面に停滞する予想になっているのがわかります。特に週中頃からは西日本・東日本からは離れていく様子がみられます。
既に梅雨明けの発表があった沖縄・奄美に加えて、九州〜関東甲信の各地でも徐々に夏に近い気圧配置になってくるといえそうです。今週は真夏の蒸し暑さに注意が必要になりそうです。
ただ、太平洋高気圧の周囲をまわる湿った空気が流れ込みやすい状況が続くため、前線が北に離れてもすっきりとした夏空が続くとは限りません。この湿った空気の影響や、その後の梅雨前線の動向を加味した上で、気象台は梅雨明けを発表するかどうかを判断することになりそうです。湿った空気の影響でゲリラ雷雨の発生しやすい状況も続くため、暑さだけでなく急な雨にご注意ください。
一方、東北地方では雨の降りやすい日がしばらく続きそうです。
平年の梅雨明けは、九州〜関東甲信では7月中旬頃、北陸〜東北では7月下旬頃です。
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