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北海道・函館の湯の川温泉にある「ホテル万惣」で、地元産「未利用魚」を使った夕食の提供が始まった。
未利用魚とは、サイズが小さかったり、不人気で値段かつかなかったりして、取れても廃棄やリリースされてしまう魚のこと。
ホテルのレストランビュッフェで、新鮮な刺身として食べてもらうという。
国連食糧農業機関(FAO)が公表した「世界漁業・養殖業白書」(2020)によると、世界で漁獲された魚のうち35%程度が廃棄されるなどしている。
もちろん、日本の港町でも同様のことが起きており、未利用魚は大量にとれても値段がつかないため、漁師の経済的な負担にもつながっている。
そんな未利用魚の問題を解決しようと、函館ではすでに、地元有志による「未利用魚介プロジェクト」が6月から始動。
未利用魚を焼き魚や煮魚に加工した商品を売り出しており、地元ではフードロス解決や漁師の助けに繋げようという機運が高まっている。
そして今回、湯の川温泉の「ホテル万惣」で、地元産の未利用魚を使った取り組みが始まった。
函館の漁師たちや地元の卸問屋「福田海産」と連携し、未利用魚を含めた「お刺身6種」をホテル内のビュッフェレストランで提供する。
どんな未利用魚がどれくらい取れるかはわからないため、種類は日によって変わるが、従来の刺身の提供も引き続き行う。
ホテル万惣は「例えば、水揚げされてもサイズが規格外で市場に出ない『ソイ』がいます。しかし、味は全く見劣りせず、おいしく食べられます。未開拓の新しい函館の海の幸をお伝えできればと考えています」とした。
また、福田海産の福田久美子社長も「函館の海の幸をお届けして36年の月日がたちました。近隣の漁師さんの様々な魚をお刺身にして、たくさんの方々に食べていただこうと思っています」とコメントしている。
函館湯の川温泉旅館共同組合によると、湯の川温泉は、函館空港から車で5分の所にあり、「日本一空港に近い温泉街」と言われている。
北海道の三大温泉郷の一つで、古くから名湯として親しまれてきた。コロナ禍前までは、例年130万人ほどが湯の川温泉に宿泊している。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
函館・ホテル万惣が「未利用魚の刺身」を提供開始。地元の漁師らとタイアップ、新しい海の幸を伝える