梅雨が明けると、本格的な夏の暑さがやってきます。野菜の出来や価格は天候が大きく関係し、気になるところです。スーパーマーケット「アキダイ」(本社・東京都練馬区)の秋葉弘道社長に価格動向を伺いました。
秋葉社長が7月に値下がりが予想されるものとして、まず挙げたのがキャベツとキュウリです。現在は値上がりしているようなのですが、7月に入ってから落ち着くということでしょうか。
「キャベツは、今は平野部で生産されたものが出回っている時期です。5月までは天候がよかったのでよい品がバンバン出ていたのですが、6月に入ってからは大雨やその後の猛暑、さらには日照不足などの天候不順があり、その影響が出てしまっています。
平野部の次は嬬恋(つまごい:群馬県)など高原で生産されるものになるはずですが、出荷リレーに端境期(はざかいき)ができてしまって値上がりしているのです。7月半ばには高原ものが増えて、だいぶ安くなっているでしょう。
キュウリも少し前まで群馬産のものなどが多く出ていたのが、日照不足の影響などで減っています。次に出回る産地は福島なんですが、福島産も日照不足と低温だった影響で少し遅めになっています。ピーマンも一緒で、東北産のものが遅れている影響で品薄になり、値上がりしています。
こういったものは7月半ばくらいには通常の状態に戻って、値も下がってくるでしょう」(秋葉社長)
春に歴史的な高値だったカボチャや、夏野菜の代表ともいえるゴーヤやオクラはどうでしょうか。
「カボチャの価格はだいぶ下がり、しばらく上がることはないでしょう。国産が出回る時期ですが、生育の段階で気候がよかったので、すごく美味しく育っています。
ゴーヤ、オクラは、10日前から比べると3割ぐらい値上がりしていますが、今後は安くなっていくでしょう。
この時期に出回るゴーヤとオクラの主産地は西の方なんですが、雨が多くやや天候が良くありませんでした。また関東も意外と日照不足があって遅れ気味です。そのため、少し価格的にも悪い状況です。
しかし、西の方が露地ものになって、梅雨明けの影響でどんどん回復していきます。今まで止まっていたぶん、どっと出てくるようになり、7月半ばにはもうちょっと値段が下がります」(秋葉社長)
ちょっと残念なのが、タマネギの値上がりですね。
「タマネギは絶対に値上がりします。これは毎年のパターンなのですが、6月いっぱいで関東を含めて広いところで生産されていたものが終わります。
この先2ヵ月間は淡路島産になります。淡路島は全国有数のタマネギ産地ですが、日本全国の食卓を支えるには少し無理があり、毎年この時期は値上がりするんです。
次の北海道産の出始めは7月後半です。しかし出回るのはお盆過ぎからで、十分行き渡るようになるのが9月。それまではタマネギは高めになりますね。
あとは、小ネギ(小口ネギ、やっこネギなど)です。静岡や茨城で多く生産しているのですが、先だっての線状降水帯による大雨でやられてしまいました。これから需要の高まる野菜でもあり、値上がりするでしょう。
ニラも、6月の雨の後に高温になったせいでやられてしまいました。これも高くなると思います」(秋葉社長)
夏野菜の美味しい季節です。安くてよい品を選んでたくさん食べたいですね。
【関連記事】
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
きゅうりやキャベツ、7月はお買い得に? 値上げに注意したいのはあの野菜