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フランス南部の大都市マルセイユで「市内最大の図書館が全焼した」という情報が7月1日現在、日本で拡散している。これは不正確な情報だ。暴動が発生したのは事実だが、図書館の入口部分が破壊されただけで、全焼は免れた。ハフポスト日本版がファクトチェックした。
まず、フランス各地で暴動が発生しているのは事実だ。NHKニュースによると、フランスの首都パリ郊外のナンテールで6月27日、17歳の少年が警察官に射殺された。この事件をきっかけに各地で警察への抗議が大規模な暴動に発展している。
50万フォロワーを擁する英語のTwitterアカウント「ヴィシェグラード24」が日本時間6月30日に「フランスの暴徒がマルセイユ市最大の公共図書館を全焼させた」として、建物の一部が炎上している動画を投稿した。この動画はSNSアプリ「スナップチャット」からの転載と見られるが詳細は不明だ。
ヴィシェグラードとは、チェコ、ハンガリー、ポーランド、スロバキアの東欧4カ国を指すが、今回の情報を拡散した「ヴィシェグラード24」は、運営者の情報がない匿名アカウントだ。
「通信社のふりをしているが、既存の情報を保守的な方向にアレンジして転載するだけ」とポーランドの現地メディアから批判を受けている。
今回のヴィシェグラード24の投稿を引用する形で6月30日、日本語のいわゆる「まとめサイト」でも「フランスの暴動でマルセイユ最大の図書館が全焼」とする記事が掲載。SNS上で広まった。
しかし、これらは不正確な情報だ。8つあるマルセイユ市立図書館の中でも主要な施設で、市内の図書館の面積の半分以上(約1万8000平米)を占めるアルカザール図書館が暴動で損傷したのは事実だが、ダメージがあったのは入口部分だけで全焼はしていなかった。
マルセイユの地元メディア「メイド・イン・マルセイユ」は6月30日に市内で発生した暴動の結果、アルカザール図書館が標的にされたが、セキュリティシステムによって阻止されて、中には侵入されなかったと報じている。割れた窓はすべて大きな木の板に取り替えられたが、被害額はまだ判明していないという。
マルセイユ市立図書館の公式Twitterによると、アルカザール図書館は暴動の影響で6月30日は閉館したものの、7月4日午後1時から業務を再開する予定だという。
BuzzFeed Japan社では、2019年7月からNPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)のガイドラインに基づき、対象言説のレーティング(以下の通り)を実施しています。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「マルセイユ最大の図書館が全焼」⇒不正確。フランスの暴動めぐる動画が拡散【ファクトチェック】