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ステージ上で突然声が出なくなってしまった歌手に差し伸べられた、サポートや愛の気持ちを伝えたいと思う何千ものファンからの歌声だった。
スコットランド出身の人気歌手、ルイス・キャパルディさんが6月24日、イギリスで開催された世界最大級の野外フェス「グラストンベリー・フェスティバル」に出演した。
キャパルディさんは2022年9月にトゥレット症候群(※)との診断を受けていることを公表し、2023年6月初旬には治療に専念するために音楽活動を休止すると発表していた。
グラストンベリーは、治療からの復帰の舞台だった。だが、数曲目に差し掛かった時のこと。チック症状が起きた。
BBCが公開した動画には、一連のパフォーマンスの終盤で自身の大ヒット曲「Someone You Loved」を歌おうとするも、思うように声が出せず、苦悶の表情を浮かべるキャパルディさんが映っている。
すると、キャパルディさんを見るために集まった何千人もの観客が代わりに一斉に大合唱を始めた。口々に励ましの歓声を上げ、一丸となって歌詞を唱える観客を感極まった表情で見渡すと、キャパルディさんはステージを降りて観客に近づき、曲の最後の部分を歌い切った。
観客の愛にあふれる大合唱のあと、キャパルディさんは「まさに夢にみていた瞬間だ。もう二度とこれができないとしても、充分だよ」と呼びかけた。
27日には、自身のInstagramに「ありがとう、グラストンベリー。必要なときに一緒に歌ってくれたこと、終わった後に素晴らしいメッセージをくれたことに感謝します」という感謝のメッセージで始まる文章を投稿した。
「以前はこのようなショーを一秒一秒楽しむことができていたし、3週間離れれば解決するだろうと期待していた」
「でも実際のところ、私はトゥレット症候群の影響に適応することをまだ学んでいる最中で、この先ずっと好きなことを続けるために、もっと多くの時間が必要だということが土曜日(※グラストンベリーのステージの日)に明らかになったんだ」
投稿には、ファンから多くの励ましと感謝のコメントが相次いでいる。
キャパルディさんは、当面の間はツアーを休むとしている。活動再開の時期は明言していない。
※「トゥレット症候群」とは、チック(突発的な発声や素早い身体の動きの繰り返し)が続く疾患。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
病と闘う英人気歌手、ステージで声が出なくなる。苦境を救ったのは、数千人の観客だった【動画】