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ポーランドで開かれた、ヨーロッパ陸上チーム選手権の女子100メートルハードルで、最下位になった選手が大きな注目を集めた。
最下位ながらも、「ヒーロー」「これぞチームプレーヤー」とSNSで称賛されたのは、ベルギー代表のヨリーン・ブンクウォ選手。
実は、ブンクウォ選手はハードルではなく砲丸投げのアスリートだ。ベルギーの国内記録保持者であり、前日に出た砲丸投げの試合では7位だった。
しかし6月24日に開かれた女子100メートルハードルに、ベルギー代表の選手2人が怪我で出られなくなったため、チーム失格の危機を救うべく急遽代理で出場することになった。
ベルギー代表が1部に残るためには、出場してポイントを獲得することが重要だった。
ブンクウォ選手は「私にとって一番大事なのはチーム」「1ポイント差で負けるわけにはいかなかった」とAFP通信に語っている。
ブンクウォ選手はコーチに相談して「ゆっくり、気をつけてやるなら」という条件で、出場許可を得たという。
ヨーロッパ陸上競技連盟が投稿した動画には、ブンクウォ選手が約束通り、ゆっくりと用心深くハードルを超える姿が映っている。
そして最後にゴールしたブンクウォ選手を、他のアスリートらがハイタッチや握手で迎えている。
ブンクウォ選手の記録は32秒81。トップの13秒21から20秒近い差をつけての最下位だったが、ブンクウォ選手にとっては今シーズンの最高記録となった。
試合後「頭の中では、動画よりもっとエレガントに走っている姿を想像したけれど、まあ悪くはありませんでした」「1分を切った自分を誇りに思います!」とCNNにコメントしている。
ブンクウォ選手のおかげで、チームは2ポイントを獲得したものの、残念ながらベルギーは最終的に16チーム中14位となり、2部に降格した。
しかし、ブンクウォ選手にとっては最高の大会になったようだ。
「人生で一度きりの経験で、すべての瞬間を楽しみました」「不可能と思えることであっても、全力を尽くして、自分を信じれば、多くのことは可能になると伝えたい」とコメントしている。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
砲丸投げの選手がハードルに出場。最下位ながらも勇気ある走りに「ヒーロー」の声