砲丸投げの選手がハードルに出場。最下位ながらも勇気ある走りに「ヒーロー」の声

女子100メートルハードルに出場したヨリーン・ブンクウォ選手(2023年6月24日)

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ポーランドで開かれた、ヨーロッパ陸上チーム選手権の女子100メートルハードルで、最下位になった選手が大きな注目を集めた。

最下位ながらも、「ヒーロー」「これぞチームプレーヤー」とSNSで称賛されたのは、ベルギー代表のヨリーン・ブンクウォ選手。

実は、ブンクウォ選手はハードルではなく砲丸投げのアスリートだ。ベルギーの国内記録保持者であり、前日に出た砲丸投げの試合では7位だった。

しかし6月24日に開かれた女子100メートルハードルに、ベルギー代表の選手2人が怪我で出られなくなったため、チーム失格の危機を救うべく急遽代理で出場することになった。

ヨリーン・ブンクウォ選手(2023年6月24日)

ベルギー代表が1部に残るためには、出場してポイントを獲得することが重要だった。

ブンクウォ選手は「私にとって一番大事なのはチーム」「1ポイント差で負けるわけにはいかなかった」とAFP通信に語っている。

ブンクウォ選手はコーチに相談して「ゆっくり、気をつけてやるなら」という条件で、出場許可を得たという。

ヨーロッパ陸上競技連盟が投稿した動画には、ブンクウォ選手が約束通り、ゆっくりと用心深くハードルを超える姿が映っている。

そして最後にゴールしたブンクウォ選手を、他のアスリートらがハイタッチや握手で迎えている。

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Every point *does* count at the European Team Championships! Seventh in the shot put, Jolien Boumkwo 🇧🇪 steps in for the 100m hurdles at the very last minute i...

ブンクウォ選手の記録は32秒81。トップの13秒21から20秒近い差をつけての最下位だったが、ブンクウォ選手にとっては今シーズンの最高記録となった。

試合後「頭の中では、動画よりもっとエレガントに走っている姿を想像したけれど、まあ悪くはありませんでした」「1分を切った自分を誇りに思います!」とCNNにコメントしている。

砲丸投げの試合に出場したヨリーン・ブンクウォ選手(2023年6月23日)

ブンクウォ選手のおかげで、チームは2ポイントを獲得したものの、残念ながらベルギーは最終的に16チーム中14位となり、2部に降格した。

しかし、ブンクウォ選手にとっては最高の大会になったようだ。

「人生で一度きりの経験で、すべての瞬間を楽しみました」「不可能と思えることであっても、全力を尽くして、自分を信じれば、多くのことは可能になると伝えたい」とコメントしている。

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Satoko Yasuda