『タイタニック』監督、ツアー潜水艇には旧友が乗っていた。「気持ちの整理は不可能」と語る

ジェームズ・キャメロン監督(左)/ オーシャンゲートの潜水艇(右)

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映画監督のジェームズ・キャメロン氏が、今週起きた潜水艇「タイタン」に旧友が乗っていたことを明かし、また今回の事故と111年前の豪華客船タイタニック号の悲劇との間に「驚くべき類似点がある」と語った。

アメリカ沿岸警備隊と潜水艇の運行会社によると、タイタニック号の残骸を見学する探索ツアー中に行方不明となっていた潜水艇「タイタン」に乗船していた5人は死亡したとみられている

キャメロン監督は、1912年の海の悲劇を描いた映画『タイタニック』(1997年)を監督しアカデミー賞を受賞しており、自身もタイタニック号の残骸に33回足を運んでいる。そんなキャメロン氏にとって、今回の潜水艇の悲劇は大きな驚きではなかったようだ。

今回のツアーを運営するオーシャンゲートが1万2500フィート(約3800メートル)潜るために使用した5人乗りの潜水艇について、ダイビング業界の多くの人たちが使用されるべきではなかったと考えている、とキャメロン氏はABCニュースの取材で語った

「業界の多くの人たちは、この潜水艇に対して大きな懸念を抱いていた」と言い、「深海潜水工学コミュニティーのトップの何人かは、この会社に対して、彼らがやっていることは乗客を乗せるには実験的すぎると手紙を書いたほどだ」と述べた。

ディスカバリー・チャンネルの番組「冒険!世界ミステリーハンター」の司会を務める冒険家のジョシュ・ゲイツ氏は21日、スカイニュースの取材に対し、その設計に「どうしても納得できなかった」とし、過去の航海を断念したと語った。

「これは本当に実験的なもの。商用飛行機の新型の機種に乗るようなものでなく、一度も飛んだことのない飛行機のテストパイロットになるようなもの」と例えた。

オーシャンゲート社はこれまで、50回以上のテスト潜水を行い、少なくとも20人以上をタイタニック号の残骸に連れて行ったが、これまで潜水やミッション全体のキャンセルを余儀なくされたことが多々あったとBoston.comは報じている。

ハフポストUS版は22日、オーシャンゲート社にキャメロン氏の発言に対する回答を求めたが、失われた命に哀悼の意を表する声明以上のコメントは差し控えると述べた。

実は、この潜水艇の乗客の1人は、キャメロン氏の旧友でもあった。

「フランスの伝説的な潜水艇操縦士、ポールアンリ・ナルジョレは私の友人なんです。このコミュニティは小さくて、彼のことは25年前から知っている。このような形で悲劇的な死を遂げるなんて、気持ちを整理するのはほぼ不可能だ」と述べた。

キャメロン氏が衝撃を受けたことは、他にもある。

「タイタニックの悲劇との類似性に驚いているよ。船長は前方に氷山があると何度も警告されていたにもかかわらず、月が見えない夜に全速力で氷山に突っ込み、結果多くの人が亡くなった。私たちにとっては、警告が無視されたという点で、非常によく似た悲劇。潜水は世界中で行われているにもかかわらず、全く同じ場所で悲劇が起きたことにただただ驚く」と語った。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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『タイタニック』監督、ツアー潜水艇には旧友が乗っていた。「気持ちの整理は不可能」と語る

David Moye