知ってる?サクランボの正しい保存法。急激な温度と湿度変化はNGだった

2023/06/19 05:01 ウェザーニュース

宝石のように輝く、真っ赤なサクランボが並ぶ時季になりました。これからは、ハウス栽培に代わって露地栽培ものが出てきます。

サクランボは日持ちがしにくい果物の一つとも言われています。せっかくの美味しいサクランボも、保存の仕方によって日持ちに差が出るそうです。詳しい話を、山形県天童市の果樹農園、ヒロ・スマイル・ファームの後藤広美さんに伺いました。

急激な温度と湿度変化はNG

サクランボはなぜ日持ちしにくいのでしょうか。

「サクランボは収穫後、追熟しない果物です。私たちは完熟して最も美味しい状態で収穫し、出荷しているため日持ちがしにくいのです。

また、サクランボは急激な温度と湿度の変化に弱く、繊細です。この性質を知っていないとせっかくのサクランボが傷んでしまう原因になります。

常温のものを買う時や常温発送されてきたものは、急激な温度変化を避けるため、すぐに食べない場合は、冷暗所に常温で保存しましょう。

プラスチックの容器に入れてある場合は、まず容器から出し、キッチンペーパーを敷いた保存容器に並べてから上にキッチンペーパーをかけてフタをし、冷暗所に置きます。

ダンボール箱であれば、その上に少しだけ濡らした新聞紙やキッチンペーパーをかけ、同様に冷暗所に置いてください。これで2~3日は日持ちします」(後藤さん)

冷蔵状態のものを購入した場合はどうでしょうか。

「急激な温度変化を避けるため、まずは冷蔵庫の野菜室に入れます。常温保存と同様の処理をして保存すると3日程度は日持ちします。

常温、冷蔵いずれもですが、保存する際にはサクランボはなるべく触らないようにすることがポイントです。サクランボ同士がすれたり、当たったりするとそこから傷みやすくなるためです」(後藤さん)

果肉の柔らかさや糖度によって日持ちに差が

日持ちは品種によっても異なるそうです。

「サクランボは果肉が柔らかいもの、糖度が高いものは日持ちがしにくい傾向があります。

たとえば、『佐藤錦』や『紅さやか』は果肉が柔らかく、特に佐藤錦は糖度も高い品種なので、日持ちは2~3日程度です。

一方、最近人気が高まっている『紅秀峰』は、糖度は高いものの果肉はしっかりしてプリッとしているため、日持ちは4~5日と、『佐藤錦』や『紅さやか』より長い傾向にあります。

また酸味があり爽やかな味の『ナポレオン』は、他の品種よりもデリケートに扱う必要があるといわれています」(後藤さん)

冷やし過ぎると甘くなくなる?

サクランボを食べるときには冷やして食べる方が多いと思いますが、冷蔵庫に入れるのは直前が良いそうです。

「常温保存しておいたサクランボは、食べる1~2時間前に冷やすようにしましょう。これは冷やし過ぎると、せっかくの甘みを感じにくくなるためです。

また食べきれない場合は、軸を取ってそのままチャック付き保存袋などに入れて冷凍して、凍ったまま食べてみてください。色もきれいでひと口大のかわいいシャーベットになります。シャリシャリした食感と爽やかな甘みが口に広がります」(後藤さん)

サクランボには利尿作用、むくみを抑える効能、高血圧の予防効果があるといわれるカリウムが比較的多く含まれています。これから最盛期を迎えるサクランボを、上手に保存して最後までおいしくいただきましょう。

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参考資料など

取材協力/果樹農園ヒロ・スマイルファーム(https://www.instagram.com/hiro.smile.farm/)

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