ふわふわとして柔らかい新キャベツが旬を迎えています。これからの時季は生でも加熱してもおいしい新キャベツが食卓にのぼることも多くなります。
キャベツの料理法はさまざまですが、葉は食べるが芯は捨てている方が多いと思います。ウェザーニュースで「キャベツの芯、どうしてる?」というアンケート調査を実施したところ、「捨てている」が65%で「活用している」(35%)を大きく上回る結果となりました。
やはり、捨てている人が多いようですが、それはもったいないことだそうです。詳しい話を野菜ソムリエプロの吉田謹子さんに伺いました。
キャベツはアブラナ科アブラナ属でブロッコリーの仲間です。
「ブロッコリーの芯は栄養が豊富で、食べると甘みがあって美味しいというのは、最近よく言われるようになっています。実はキャベツはブロッコリーにとても近い種類なので、キャベツの芯もブロッコリーの芯と同じく、栄養が豊富です。
キャベツには、カルシウムやβ-カロチン、カリウム、葉酸が含まれますが、さらに芯にはビタミンU、カリウムなどが含まれています。特にビタミンUは胃の粘膜を強くするイソチオシアネートという成分が入っていて、代謝を高めるなどすぐれた働きを持つビタミンと言われています。
その他、葉より食物繊維が1.5倍も多いので、腸活にも効果的といえます」(吉田さん)
柔らかい葉と比べて味や食感はどうなのでしょうか。
「キャベツの芯には甘味成分である『アラニン』が葉の2倍以上、糖質である『スクロース』は9倍以上含まれています。この成分は加熱すると分解されてより甘みが感じられるようになります。
また葉よりシャキシャキとした食感が強いので、料理に使うと存在感があります。ただし葉よりも多少青臭さがあります。青臭さは加熱すると抑えられるので、じっくり加熱調理するとよいでしょう」(吉田さん)
おすすめの調理法を教えてください。
「一番のおすすめはギョウザのタネです。ギョウザを美味しく作るには、タネに余計な水分を入れないようにすることが美味しく作るコツなので、キャベツの葉をタネにする際には水分をしっかり絞って入れる必要があります。
その点、もともと水分の少ない芯なら、その必要があまりありません。しかも加熱すると葉より甘みも増します。この特長を生かして、細かく刻んでタネに入れ、じっくり焼けばいつものギョウザがぐんと美味しくなります。
また、芯を薄く輪切りにして電子レンジに1分半ほどかけ、しょうゆ、ごま油、砂糖、赤唐辛子を混ぜた調味液に漬けておくと、ザーサイのようにシャキシャキした食感の漬物になります。縦に細切りにして、豚肉などと合わせて炒め物にしても美味しくいただけます。
ただし、どの料理も切り口の茶色い部分と固い部分は切り落としてから使いましょう」(吉田さん)
キャベツの芯は、キャベツ全体の10%を占める部分だそうです。芯も捨てることなく美味しく調理して、無駄なく栄養を摂りましょう。
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