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野生のスッポンの生き血を飲むシーンが人気漫画に掲載され、作者が「真似されないようにお願い致します」と注意喚起する事態になった。専門家によると、サルモネラ属菌に感染して食中毒になる可能性があるという。
スッポンの生き血を飲むシーンが掲載されたのは、秋田書店の「ヤングチャンピオン烈」で連載中の『放課後ていぼう日誌』。都会から田舎に引っ越してきたインドア派の女子生徒・鶴木陽渚(つるぎ・ひな)が「ていぼう部」という高校の部活を通して、釣りにハマっていく様子が描いて人気を博した。累計発行部数は100万部を超え、2020年にはアニメ化されたほか、2023年6月13日から実写ドラマが配信予定だ。
問題となったシーンは、最新刊の単行本10巻に掲載された「れぽーと55.どぶ釣り」というエピソードにあった。鶴木たちが渓流釣りでウナギを取るための仕掛けに、スッポンがかかった。一向は思わぬ獲物を喜び、その場で調理してスッポン鍋にして食べることになった。
スッポンの解体をする際、首を切断した切り口から出た血を焼酎入りのグラスに入れて、「ていぼう部」顧問の女性教師が飲むシーンがあった。実際に口にした上で「うーん…クサみもないし血の味もしないわね」と平然とした様子だった。
作者の小坂泰之(こさか・やすゆき)さんは公式Twitterで4月26日、このシーンの1コマを添付した上で、読者に注意喚起した。
「天然すっぽんの生き血を飲むシーンがありますが、感染症の危険がありますので真似されないようにお願い致します」と訴えた上で「作中に注意喚起を入れるべきでしたが危険性の認識が十分ではありませんでした。申し訳ありません」と謝罪している。
東京都多摩府中保健所の公式サイトでは、スッポンはサルモネラ属菌などの食中毒菌を持っていることがあり、刺し身や生き血を原因とする食中毒が発生していると警告。厚生労働省の調査でも、2004年から2008年までの5年間で、スッポン料理が原因とみられる5件のサルモネラ食中毒が発生。そのうち少なくとも2件は生き血が提供されていた。
一般社団法人「日本食中毒防止協会」では、サルモネラ属菌に感染した場合は6時間~72時間の潜伏時間の後、下痢・発熱・嘔吐・腹痛、全ての症状が現れると公式サイトで説明している。
同協会の中島考治専務理事は「野生・養殖どちらのケースであっても、スッポンの生き血や生肉を口にすると、サルモネラ属菌に感染して食中毒になる可能性があります」とハフポスト日本版にコメントしている。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
人気漫画『放課後ていぼう日誌』で天然すっぽんの生き血を飲むシーン。作者が注意喚起「真似されないようにお願い致します」