とうとう、コオロギ食騒動が国会で本格的に取り上げられ始めた。「栄養価が高い」「タンパク質が豊富」などの触れ込みで注目を集めているが、あまり普及しそうにない。
SNS「昆虫食」論争が飛び火…河野太郎デジタル大臣 1年前の“コオロギ推し”がヤリ玉に
30日の衆議院消費者問題特別委員会で、立憲民主党の山田勝彦議員が食用コオロギの安全性について質問。2018年に、欧州食品安全機関(EFSA)が公表したヨーロッパイエコオロギのリスク評価を示しながら、日本における独自のリスク評価と安全表示の義務付けを求めた。
EFSAの調査は、4つの“コオロギリスク”を指摘。▼総計して、好気性細菌数が高い▼加熱処理後も芽胞形成菌の生存が確認される▼昆虫及び昆虫由来製品のアレルギー源性の問題がある▼重金属類(カドミウム等)が生物濃縮される問題がある──だ。
このほかに山田氏は特別委で、「漢方医学大辞典には、コオロギは微毒、妊婦は禁忌と記載があり、有毒であるために常用してのむものではないとされています」と説明。「妊婦はのんではいけないとされている」と続け、「安全性への懸念があるにもかかわらず、なぜコオロギなどの昆虫食に対し、日本では表示義務がないのか」と疑問を投げかけた。
消費者及び食品安全担当でもある河野デジタル担当相は質問に、「陰謀論者がSNSでコオロギの話を随分拡散しているようで、かなりデッチ上げの投稿が多数見られている」と答弁。「私もそれに巻き込まれて随分、迷惑をしている」などと主張した。
確かに、コオロギ食をめぐっては「妊婦に禁忌」が独り歩きした結果、〈政府による人口削減計画〉といった荒唐無稽の“陰謀論”が噴出している。河野大臣がやるべきは、消費者の不安を払拭するために安全性を検証したり、リスク表示の義務を徹底させたりすることだが、河野大臣は健康被害が確認されていない現状を理由に、「コオロギについて特に現行の原材料表示ルール以上の表示の義務付けを行う必要は、現時点ではない」と一蹴した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b72fc18e108ac3567f25d4fc1c4513a67fdca2ae
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