陸上男子100mで日本史上初の9秒代を記録した桐生祥秀選手。オリンピックや世界陸上などを経験し、2017年に10秒の壁を壊し、日本の陸上界に新しい風を吹き込みました。ですが、桐生祥秀選手は、昨年6月に休養を発表。そこから9ヶ月経ち、3月25日にオーストラリアで行われた大会で復帰を果たしました。そこで、今回は桐生祥秀選手のこれまでの実績と復帰までの過程を解説していきます。
桐生祥秀選手は、現在、日本生命に所属しながら短距離選手として活躍しています。メインは、100mと200mで国際大会に出場。高校時代には、世界選手権に出場するなどの活躍を見せ、大学に進学後は、日本選手権で優勝するなど実績十分な選手です。
桐生祥秀選手は、中学時代から陸上を始め、3年時に全中で2位の記録を残し、その後洛南高校に進学。インターハイでは高校記録、国体では3連覇、世界選手権出場など数々の大会で実績を残し、日本を代表する短距離選手へと成長。その後、東洋大学に進学。大学1年生の時には、日本選手権で優勝。大学2年生の時には、アメリカで開催された大会で追い風参考記録で9秒87の記録をマーク。公認記録に換算すると、9秒96相当の記録。大学3年生時には、リオデジャネイロオリンピックに出場。個人では、予選落ちだったものの、4×100mリレーでは、銀メダル獲得。大学4年生で遂に10秒の壁を壊しました。日本学生選手権で9秒98の記録を樹立。
大学卒業後は、日本生命に所属。2020年に日本選手権で優勝を果たすも、翌年の東京オリンピック選考会では結果を残せず代表落選。2022年6月に日本選手権6位に終わり、その後休養を発表しました。
桐生祥秀選手は、2022年6月17日に今シーズンの大会に出場しないと発表。9秒台のプレッシャーが凄く、10秒台で優勝してもため息が聞こえてくる状況に耐えられず、陸上を楽しめなくなり、休養したそうです。大学2年時には、プレッシャーとストレスに耐えきれず、潰瘍性大腸炎を発症。その後は、病気と闘いながら大会に出場。ですが、プレッシャーと病気が重なり休養。2022年10月に活動再開を発表。陸上教室などの活動を始めていき、徐々に練習を再開していき、来シーズンの試合出場に向けて調整を再開していくそうです。
桐生祥秀選手は、2023年3月25日にオーストラリアで行われたブリスベン・トラック・クラシックの100mでレースに復帰。9ヶ月ぶりの実戦で、10秒48の記録をマークするも、最下位。自分の持ち味を上手く発揮することができず、休養後初レースは不完全燃焼。桐生祥秀選手は、復帰するまでの9ヶ月間には様々な試練がありました。休養直後、筋肉が落ちてしまい今まで履いていたズボンが履けなくなってしまったそうです。そこから、試合に復帰できるまでの筋力を取り戻したものの、実戦から離れた期間の穴を埋められず、思ったような結果を残せませんでした。
桐生祥秀選手は、最後までスピードを維持し続ける力があります。スタートで力強く加速していき、中盤からトップに立つと、最後までスピードを落とさずに加速し続けゴール。桐生祥秀選手は、スピードを落とさない為に、46歩でゴールできるように歩幅を広げることに注力。9秒98の記録を樹立したときは、47.3歩でゴール。46歩でゴールできれば、更なる記録を樹立でき、日本新記録も見えてきます。中盤から、伸びる加速力と歩幅を意識した走り。この2つが上手く噛み合えば、国際大会でも通用する選手へと成長できます。
桐生祥秀選手は、東京オリンピックの代表落選から意識を変えて練習に取り組んでいます。早く走る為に筋力の強化に励んだり、恵まれた条件でなくても9秒台で走れるようにピッチの歩幅を改良し始めたりと、日本新記録に向けてフォームなどを改良。2023シーズンの初戦は、上手くいきませんでしたが、勝負はここからです。桐生祥秀選手自身も、課題を痛感しており練習の質や試合に向けての調整など次の大会に向けて準備を進めています。今シーズンは、自己ベスト更新と日本新記録。二つの記録の樹立に向けて一戦一戦試合に臨んでいきます。今後、日本選手権や国際大会などでどんな走りを見せてくれるか楽しみです。
様々な試練を乗り越え、再び100mの舞台に戻ってきた桐生祥秀選手。高校時代からトップを走り抜け、大学時代に日本人初の9秒台の記録を樹立したものの、周りからのプレッシャーや病気の発症により、一時休養。休養したことにより、気持ちがリフレッシュされ、再び自己ベストや日本新記録を目指すモチベーションを取り戻しました。2023年シーズンは、桐生祥秀選手が復帰したことにより、男子100mの優勝争いが熾烈を極めます。日本選手権や世界陸上などの国際大会で桐生祥秀選手が今後どんな走りを見せてくれるかか、今から楽しみです。
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【陸上】桐生祥秀選手9ヶ月ぶりの実戦復帰!