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ロシア軍の侵略に苦しめられているウクライナに、NATO加盟国から初の戦闘機が提供されることになった。最初に手を挙げたのはポーランドで、他の加盟国も続く可能性がある。
ロイター通信によると、この戦闘機は旧ソ連製のMig-29(ミグ29)。提供するのは隣国ポーランドだ。「まず4機、数日以内に完全に機能する状態で提供します。残りは準備中です」と、同国のドゥダ大統領が3月16日に明かした。ポーランドは10〜20機のミグ29を保有しているという。
時事ドットコムによると、ミグ29は旧ソ連のミグ設計局が1970年代前半から開発を始めた超音速戦闘機で、1983年に実用配備が始まった。旧ソ連構成国のほか、東ヨーロッパ諸国などで2023年現在も広く使われている。最前線に展開して制空戦闘に従事する「前線戦闘機」と位置付けられており、機内タンクだけだと航続距離は1400キロ程度と短くなっているという。
実用配備から40年を経た古い設計ではあるが、今回のウクライナ戦争でも、ロシア・ウクライナの両軍によって主力戦闘機として使われている。アメリカ製のF-16戦闘機などと違って軍事バランスを大きく変える兵器とは言えないが、ウクライナ軍にとっては使い慣れた機体なので実戦に投入しやすいというメリットがある。
ミグ29に関しては戦争勃発の直後から、ウクライナ政府が提供をNATO諸国に求めたことで、ポーランドとスロバキアの両国がウクライナへの提供を検討してきた。しかしロシアが反発して戦争を激化させるのを恐れたNATO諸国の間で足並みがそろわず、立ち消えになっていた。
しかし、戦争が1年を超える中で、NATO諸国はドイツ製のレオパルト2戦車の供与を決めるなど、軍事支援に本腰を入れるようになった。AP通信によると3月9日、スロバキアのナジ国防相も計10機のミグ29をウクライナに提供する意向を示していた。ポーランドに続く可能性がある。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
ミグ29とは?旧ソ連製の戦闘機をポーランドがついに提供へ。その背景を解説【ウクライナ戦争】