AIといえばマイクロソフトやGoogle、OpenAIといった企業が注目されがちですが、その裏側でAIプラットフォームとして注目されつつあるのが人気ボイスチャットアプリ「Discord」です。、
Discordは先日、ChatGPTを利用したチャットボットを始めとした複数のAIツールを実装することを発表し、さらにAIアプリ開発支援を強化することも発表しています。
*Category:テクノロジー Technology *Source:The Verge ,Discord
ゲーマー向けのボイスチャットアプリとしてZ世代に人気の高いDiscord。世界の月間ユーザー数は1.5億人超となっており、日本でも急成長中のサービスですが、まだまだニッチなボイスチャットアプリという見方が一般的です。
しかしDiscordは、AI時代ではもはや見逃せない存在となっています。今回Discordは、公式ボット「Clyde」にOpenAIのChatGPTを組み込むことを発表しました。Clydeは来週アップグレードされ、OpenAIのChatGPTやマイクロソフトのBingチャット機能のように、質問に答えたり、ユーザーと会話したりすることができるとのこと。
この新機能は来週、まずはごく一部のユーザーとサーバーのみに公開されます。Discordの管理者は、最終的にClydeチャットボットをサーバーに追加し、ユーザーが会話に召喚したり、チャンネルにGIFを送る、音楽を勧めるなどのクエリに応答させることができるようになる予定です。
DiscordユーザーはClydeにダイレクトメッセージで質問することができ、チャットボットはチャンネルに新しいスレッドを作成し、友人グループ間の会話を促進することも可能です。SlackのChatGPT統合とは異なり、Clydeを使ってメッセージの下書きをすることで、あなたの代わりに友人と会話することはできません。
これは、AIによる会話の要約やサーバーの管理など、Discordが目指す機能実現の一環です。
Discordは他にも、AIを搭載したプロトタイプ機能の実験を複数行っています。その1つが要望の多かったDiscord用のホワイトボード機能。これには、文章から画像を作成するAIの機能が含まれているとのこと。この機能がより広範に開始される時期はまだ明かされていません。
またDiscordのユーザーが生成画像モデルを使用し、お互いのアバターをリミックスすることができるリミックスアプリもあるとのこと。DiscordはこのアプリをGitHubでオープンソース化しており、ユーザーが好きなモデルを使って自由にフォーク、リミックス、拡張できるようにしています。
一般ユーザー向けの機能だけではありません。Discordは現在、開発者がDiscord用のAIアプリを構築するプログラムにリソースを割いており、自社のプラットフォームをAI開発者の本拠地として位置付けようとしています。このプログラムにはDiscord開発チームへのアクセスやクラウドコンピューティングクレジット、さらにはDiscordプラットフォーム機能への早期アクセスなどに加え、開発支援のための現金補助まで用意されています。
Discordはすでに多くのAI開発者の本拠となっており、毎月3000万人以上の人がDiscord上でAIアプリを利用しているとされています。画像生成AI「Midjourney」もそのうちの1つ。Discord上で画像を生成できる同サーバーには1300万人以上のメンバーがおり、ここ1年で最も成功した画像生成AIの一つといってもいいでしょう。
Discordは今後さらにこの取組みを強化し、AIプラットフォームとしての王座を狙っているようです。ゲーマーのボイスチャットサービスとして位置づけられてきたDiscordですが、今後はさらにAIプラットフォームとして外せない存在となるかもしれません。
オリジナルサイトで読む : AppBank
AI企業、次に大化けするのはコレ、Z世代の絶大な支持を受ける「日本人が知らない」ゲームチェンジャー