Twitterを買収したあと、大量解雇から数々の仕様変更を行うイーロン・マスク。最近では「自分のツイート表示回数を増やした」という報道もあり、Twitterを完全に独裁したかのようにみえます。しかしその一方で彼の判断には、Twitterを着実に改善しているといえる側面もあるのです。
*Category:テクノロジー Technology *Source:The Verge ,commslisk ,Tesla(YouTube)
イーロン・マスク氏は2月中旬、Twitterのアルゴリズムを調整しました。これは、マスク氏が自分のツイートの閲覧数が少ないことに不満を持ち、それを理由にエンジニアを解雇した数日後のことです。
テックメディア「The Verge」は、このアルゴリズムの変更によって「イーロン・マスクのツイート表示回数が増えた」と指摘しています。
The Vergeの何人かは、いつもより多くのマスクのリプライを目にしており、私自身はフィードの一番上に5つ数え、他のユーザーからのツイートの間に多くのリプライが散りばめられています。マスク氏をフォローしていないアカウントでも同じことが言えます。
このような変更や大量解雇の動きを見ると、マスク氏はまるでTwitterの独裁者になっているようにみえます。しかし一方で、同氏がTwitterの様々な問題を解決しようとしているのも確かです。
マスク氏は今回の変更について、Twitterがこの「可視性」の問題を解決するための変更を展開したと説明しました。彼によれば、自分のツイートの95%が「配信されない」状態だったそうです。
Twitter本社でengチームと過ごす長い一日。2つの重大な問題をほぼ解決しました。
- FollowingフィードのFanoutサービスがツイート時に過負荷になり、最大で95%のツイートが全く配信されない状態になっていました。Followingは現在、検索(別名Earlybird)から引っ張ってきています。Fanoutがクラッシュすると、キューにある他の人のツイートも破壊されてしまいます。
- レコメンドアルゴリズムが割合によるブロック数ではなく、絶対ブロック数を使用していたため、ブロックしたユーザーがフォロワーの0.1%しかなくても、フォロワーの多いアカウントが捨てられてしまうことがありました。また、ブロックを使ったボットスパムアカウントは些細なことです。
これがどこまで事実かどうかはともかく、このような対応の速さはマスク氏が社内で大きな力をもっているからこそといえるでしょう。また最近マスク氏は、Twitter社のSMSによる2段階認証を有料化しました。
ユーザーからは反発もありましたが、マスク氏はこれについてTwitter社が「SMSが年間6,000万ドル(約80億円)も失っていた」ことを説明。同氏によれば、Twitter社は悪質な通信事業者からの偽SMSメッセージの詐欺を受けていたそうです。
テックメディア「commsrisk」はこのような悪質な通信事業者について「多くの証拠を見てきた」と認めています。またテック業界には数字を稼ぐために「偽のトラフィックを奨励する癌のような体質」があると指摘しました。
このようにユーザーの反感を買う一方で、年間80億円の赤字削減につながる英断も行うイーロン・マスク。今の彼の経営はまさに「常人では計り知れないもの」となっていますが、これらの判断が正しかったのかどうかは、数年後のTwitterを見れば分かるはずです。
オリジナルサイトで読む : AppBank
Twitterの独裁者イーロン・マスクの「ケタちがいな功罪」