風邪など、何らかの病気にかかった後は、家の中を掃除したり除菌したりする人も多いだろう。それにより、気分的に安心できるだけでなく、残っている細菌を取り除くこともできるかもしれない
では、歯ブラシはどうだろう?病気の時に、最も直に接触している可能性のある歯ブラシは、取り替えた方が良いのだろうか?
結論を言うと、答えは「イエス」。病気になった後は、歯ブラシを取り替えることが一般的に推奨されている。
カリフォルニア州の小児歯科医であるゲリー・リュー氏によると、口唇ヘルペスやインフルエンザ、連鎖球菌による咽頭炎やただの風邪などを患った場合は特に注意が必要だという。
細菌は、病気やバクテリアの種類にもよるが、24時間から数週間も歯ブラシに付着していることがある。また、再感染するリスクもあるため、用心に越したことはないだろう。
ここでは、歯ブラシを病気中や病後にも清潔に保つための専門家アドバイスを紹介しよう。
病気中に同じ歯ブラシを使っていると、病気が長引くと思われがちだが、実はそうではない。
歯科医のローレン・ベッカー氏は、「病気が治ってから歯ブラシを交換するのであれば、病気中は同じ歯ブラシを使っていても大丈夫です」と話す。「ただし、歯磨き粉は、特に他の家族メンバーと共有している場合には注意が必要です。歯ブラシから歯磨き粉に細菌が移るのを避けるために、自分専用の歯磨き粉を使ったほうが良いかもしれません」
直感に反するかもしれないが、1つのコツは、歯ブラシのヘッド部分は空気に触れるようにしておくことだ。小児科医であり、ベビー用品会社の創設者でもあるハーヴェイ・カープ氏は、「歯ブラシに生息する細菌の大部分は、酸素に触れていることで死滅します。歯ブラシが乾けば、ほとんどの細菌は根絶されます」と述べる。
歯ブラシのヘッドにキャップをした場合、しなかった場合よりも細菌数が多くなる可能性がある。つまり、携帯用歯ブラシによくついているケースやキャップを使うのは避けた方が良いだろう。
歯ブラシを捨てたくない場合は、自分で消毒することもできる。審美歯科医のデビッド・フランク氏によると、抗菌マウスウォッシュや入れ歯洗浄剤、重曹溶液や酢溶液などに歯ブラシを浸すことが効果的だという。また、どんな歯ブラシでも煮沸消毒はしない方がいいという。
歯ブラシの日常的な洗浄については、お湯を流しながらブラシの毛に親指を沿ってこすらせた後水で濯ぎ、カバーをせずに自然乾燥させることを歯科医のベッカー氏は勧めている。
小児歯科医のリュー氏によると、アメリカ歯科医師会は、歯ブラシの毛が磨耗し微生物が蓄積するため、3カ月に一回は交換するよう勧めているという。一方日本では、歯ブラシなどを販売する「ライオン」や多くの歯科医は、月1回を目安として交換することを勧めているようだ。ただし病気になった時には、もっと頻繁に交換したり、早めに消毒した方が良いだろう。
病気後に歯ブラシを変えるだけでは口腔内のケアが不十分だと感じる場合は、更なるケアについて医師または歯科医師に相談することを検討しよう。安全で健康的な生活を送るために、消毒薬などを処方してくれるかもしれない。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。
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病気になった後は歯ブラシを変えた方がいい?専門家によると…