留学や転職など、環境を変えたい時の決断の基準は?イチローさんの答えに説得力がありすぎて、100回でも頷ける

イチローさん

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「環境を変えようとする時、どのような判断基準で決断すべきか」

留学や退職・転職など、今の自分が身を置く環境を変えたいと思っている人は少なくないはずだ。だが、その決断は不安を伴うかもしれない。

シアトル・マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチローさんが、オリックスグループの公式インスタグラムで、ビジネスパーソンもよく抱えるこの悩みと向き合った。その内容に多くの反響が寄せられている。

イチローさんは誰かの相談に乗る時、「やめといたら?」と声をかけるという。その理由は、深く頷けるものだった。

メジャー移籍「やめとけ」と言われた

イチローさんは「環境を変えようとするときに、何を大切にしてどのような判断基準で決断すべきか、教えていただきたいです」という質問に答えた。

パートナーとの結婚を考えているという質問者は、「転勤の多い今の会社にいるべきか、叔父の会社を継ぐべきか悩んでいます。叔父の会社を継げば転勤はなくなりますが、収入が不安定になるリスクもある」などと打ち明けた。

これに対しイチローさんはまず、「判断基準は自分の気持ちです。もちろん、自分がどうしたいか」と率直に答えた。

続けて、自身の「大きな決断」の例として、2000年に当時所属していた日本プロ野球のオリックス・ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)からメジャーリーグのシアトル・マリナーズに移籍した時のことを振り返った。

イチローさんは「アメリカに行くというのが、分かりやすく、(当時の自分にとって)大きな決断でした」と述べた上で、「その時は反対ばかりですよ。やめとけやめとけって。『背中を押して欲しいのにな』って思う人からもやめとけやめとけって言われました」と、メジャー移籍を多くの人から反対されていたことを明かした。

イチローさんは「でも、その程度で気持ちが揺らぐようだったら行けないですよ。そんな決断はできない。もうどんな声があがったってその意志がなかったら、結局行けないんですよね」と自らの考えを語った。

1994年から2000年までパ・リーグで7年連続の首位打者のタイトルを獲得したイチローさん。移籍後1年目の2001年シーズンにはメジャーリーグの新人最多安打記録を更新した。その後の活躍は、もはや“説明不要”。前人未到のシーズン安打記録を打ち立てるなど、MLBのレジェンドの1人となった。

相談には「やめといたら」という。その理由は?

その後、ある人からの相談に乗った時のエピソードを明かしたイチローさん。決断を迷っているという人を前に、軽く背中を押した経験があるとした。

イチローさんは「僕、軽く背中を押しちゃったんですよ。軽く押したら、その決断しちゃったんですよ。その後、新しい世界に挑戦して、あまりいい結果が出ていないんです」と振り返った。

この時の経験を踏まえて、イチローさんは自身のアプローチを次のように変えたという。

「何か相談されたら、止めるようにしている。やめておいたらって。それはもちろん意図して、ですよ。『なかなか厳しいと思うよ』って。本当は背中を押してあげたいんだけど、そうするようにしています」

イチローさんは続けて、「それでもトライするという強い気持ちがなかったら、踏み込めないと思うので。僕は経験上そう思います」とした。

たとえ反対されても、自分の信念を貫く決断ができるかが大事だとし、「それができたら、スパンと次に行けると思う。できないようだったら、本当にやめといた方がいい」とアドバイスをしていた。

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