もうすぐバレンタイン。「ちょっといいチョコレート」を探しているなら、地球にもやさしい「Bean to Bar」のチョコレートはいかがでしょうか。チョコレート好きが高じてチョコのおいしさを発信している「チョコおじ」さんに、大切な人と一緒に食べたい4つのブランドを教えてもらいました。
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「チョコおじ」こと森田泰則さんは、ふだんはウェブエンジニアとして働いていますが、チョコを買うために京都やフランスにひとり旅をしたり、カカオツリーのオーナーを経験したこともある無類のチョコレート好き。チョコレート検定ではチョコレート エキスパート(中級)に合格しています。
「バレンタインは女性から男性にチョコレートをあげるイベント。普通はそう思いますよね。でも、私はむしろあげる側です。世の中にはおいしいチョコがたくさんあるので、もっと多くの人にチョコをおいしく食べてほしいなと思い、こんな活動をしています」
【バレンタイン = チョコを一緒に食べる日に】
「バレンタインは、ちょっといいチョコレートを性別を問わず誰かと一緒に食べる日にしたいのです。ポイントは何種類か買ってくること。そこでオススメなのが、Bean to Barのチョコレートです。食べ比べると味がまったく違うのでおもしろいですよ」
Bean to Bar(ビーントゥバー)とは、カカオ豆から製品(板チョコレート)になるまでを一貫して製造しているチョコレートのこと。SDGsの意識の高まりもあり、注目されています。
「人によって『酸味があるほうが好き!』など、コーヒーと同じような感想があるため、感じ方の違いを楽しみながら話すことができます。そんなバレンタインの過ごし方はいかがでしょうか」
Bean to Barは、カカオ豆の産地をブレンドせず単一の原産国や産地で製造するため産地の個性がわかりやすく、カカオ濃度も70%以上と高くなっていることが多いため、食べ比べにはぴったり。
カカオ豆の収穫から製造、販売までを追跡できる「トレーサビリティ」が強化されており、生産者の「顔が見える」のも特徴です。
カカオの生産をめぐっては、熱帯雨林など自然環境への影響や児童労働、貧困など、さまざまな社会課題があります。
Bean to Barのチョコレートのウェブサイトやリーフレットには、製造過程やそこに関わる課題が説明されていることが多いため、大切な人とおいしいチョコレートを食べながら、つくり手の暮らしや想いを想像しすることもできます。
そこでチョコおじさんに、バレンタインに食べ比べるのにぴったりなBean to Barの4ブランドを教えてもらいました。
ミニマル ビーントゥバーチョコレート(Minimal – Bean to Bar Chocolate -)
2014年に設立。すべて自社工房での手仕事で、チョコレート職人歴15〜20年になるベテランも。代表の山下貴嗣さんは「世界で一番共感されるチョコレートブランドを目指しています」と語ります。
すべてのカカオ豆を児童労働を行っていない農家から仕入れており、39項目でレーティング。2021年の平均買付価格は市場価格の約3倍だったそう。そのぶん商品価格も高めですが、生産者、製造者、消費者の「三方よし」にこだわっています。
「お客様が共感してくれてたくさん買ってもらえると、そのぶん農家に還元できます。良い豆にきちんと対価を支払い、おいしいチョコレートをつくってお客様に喜ばれるというハッピーなサイクルを回し、チョコレートで世界を変えていきたいです」(山下さん)
廃棄されるカカオ豆の殻を、埼玉県深谷市の田中農場に鶏の飼料として提供するサステナブルな取り組みも実施しています。
「定番の板チョコレートは、ザクザクした食感が特徴的なカカオ豆の個性を楽しむことができます。チョコレートの手作りワークショップも実施していて、アーモンドのようなカカオ豆から板チョコができあがる感動を味わえるとともに、その工程にかかる手間に驚く貴重な体験ができます」(チョコおじさん)
カカオハンターズ(CACAO HUNTERS)
2013年にコロンビアで生まれたチョコレートブランド。
世界15カ国のカカオ生産国を旅してきた”カカオハンター”こと小方真弓さんが、現地の人たちとカカオを探索し、生産者の指導や支援をしています。
「ARHUACOS 72%」は、コロンビア北部シエラネバダ山脈内の先住民アルアコ族が山中で育てているカカオからつくっています。収穫後のカカオはラバの背中に乗せて数時間かけて山から運び出しているそう。
「東京駅に店舗があるので買いやすいです。店内で食べられるジェラートやスイーツもおすすめ」(チョコおじさん)
マーハチョコレート(MAAHA CHOCOLATE)
「ガーナのカカオ豆を使ったチョコレートです。24歳の工場長、田口愛さんがガーナ政府とかけあってカカオ農家の待遇改善に取り組んでいます」(チョコおじさん)
MAAHAはガーナの挨拶の言葉。マーハチョコレートのオンラインストアは日時限定で注文を受け付けており、発売後は即完売になるほど。全国の百貨店などの催事場でも展開しています。
チョコレート好きの田口さんは19歳で単身でガーナに渡航しました。
ガーナ政府がカカオ豆を農家から買い取る際、質を評価せず均一の価格にしているために農家のモチベーションが下がり、カカオ豆の質が低下する負のスパイラルになっているとして、システムを変えて負の連鎖を断ち切る「カカオ革命」を提唱しています。
ママノチョコレート(mamano chocolate)
「エクアドル固有の品種である『アリバ種』という珍しいカカオ豆を扱っています。赤坂に店舗があり、『アメトーーク!』で倉科カナさんが紹介したことでも話題になりました。フルーツを贅沢に使っている商品もあり、おいしいです」(チョコおじさん)
2013年2月に創業。「森と生きるチョコレート。」とうたい、現地の組合と協働しながら、伝統的な「チャクラ農法」によって熱帯雨林を保護しながら無農薬で育てているといいます。
見た目も華やか。韃靼そばや与論島の海塩などをトッピングしたカードチョコレートや、愛媛県産のオレンジやレモンのチョコレートがけなど、日本の食材とのコラボレーションも新鮮です。
各チョコレートのオンラインストアでは、ショップ袋は別売りになっていることもあります。
(取材・文:小林明子)
(2023年2月6日のOTEMOTO掲載記事「食べ比べたいBean to Bar 「バレンタインはちょっといいチョコを一緒に食べる日に」」より転載)
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
食べ比べたいBean to Bar 「バレンタインはちょっといいチョコを一緒に食べる日に」