米Amazonは2月2日、2022年の第4四半期決算を発表しました。年末年始の売上高は、同社の予想を上回ったものの、テックメディア「The Verge」は、同社が依然として、各部門の景気減速に悩まされていることを示していると指摘しています。
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Amazonが発表した2022年第4四半期の決算によると、売上高は前年同期比9%増となり、前期に同社が発表した「前年同期比2~8%増」という予測を上回りました。しかし、第4四半期の収益は過去最低である3億ドル(約386億円)で、前年の143億ドルから急減しています。
そして通年では、2014年以来初めてとなる27億ドル(約3,500億円)の純損失を計上。パンデミック時の年間利益上昇と好景気のトレンドから一転しました。「The Verge」はこれについて「年間では過去最悪の赤字」だと指摘しています。
昨年特に不調だったのは、同社の海外事業です。2021年度に22%増だった売上高は、2022年度には前年度比8%減となりました。その他、収益性の高いAWS事業など、同社の主要な3事業の成長率も前年を下回っています。
Amazonの第4四半期は、初の「Prime Early Access Sale」開催や、電子メモ帳「Kindle Scribe」発売、AlexaデバイスへのMatterの段階的展開の開始、Amazon Glowの廃止、Prime Video、Twitch、ゲーム担当の幹部の退職など、忙しいものでした。
第4四半期における大きな出来事となったのは大量解雇です。11月、Amazonはハードウェアとサービスチームの削減を含む最初のレイオフを発表し、アンディ・ジャッシーCEOは、さらなるレイオフが控えていることも約束しました。
1月上旬には、それに続き、同社が「18,000人強」の人員削減を計画していることが明らかになりました。この大量解雇の影響を特に受けるとされるのが、音声アシスタントユニット「Amazon Alexa」が属する「Worldwide Digital」部門です。
テックメディア「Ars Technica」によれば、同部門は、2022年の第1四半期だけで30億ドル(約4,000億円)の損失を出しており、その大部分はAlexaが原因だったとのこと。AlexaはAmazonの中でも先進的な事業ですが、無理な価格競争と収益化での苦戦していたそうです。
Google、Meta、マイクロソフトなどの米テック企業は不況に応じて大量解雇を実施していますが、中でも削減数が多かったのがAmazonです。ジャッシーCEOはさらにコスト削減を進めようとしており、Alexaなどを始めとした不採算事業への投資は今後、さらに減らされていくことになるかもしれません。
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Amazon「過去最悪の年間赤字」