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それは、大学3年の時に突然始まった。ボーイフレンドとセックスをする度、挿入時に焼けるような痛みを感じるのだ。変だと思ったし、本当に痛かったけど、気にしないようにしていた。実際は、耐えられないほどの苦痛だった。彼は指を挿入することもできなかった。私は、自分の膣がほとんど閉じてしまったかのように感じていた。
私のボーイフレンドは、この問題をどうこうしようとはしなかった。その結果、ほんの数週間で私たちはセックスをしなくなってしまった。その時点でもう2年間付き合っていて、それまではセックスの問題など何もなかった。
付き合い始めの頃は、毎日2回していた。セックスしないことで彼との関係は完全に違うものになってしまったが、私は現実から目をそらして問題を解決しようとしなかった。
その後のある日、他のことで病院を訪れた時に、ついでに医師に相談してみた。症状を説明すると、外陰痛(Vulvodynia)ではないかと告げられた。身体的には一切問題が無いのに、外陰部に痛みを感じるものだ。私は外陰部の感覚を鈍くしてセックスを始め易くできるようにと、潤滑油と注射筒を処方された。
私とボーイフレンドは試してみることにした。だが、潤滑油が効果を発揮し始めるまで45分間待たなければならないことを知らなかった。始めてみたら、感覚はまるで鈍くなっておらず、ひどい痛みだった。そして、 潤滑油を塗りたくって1時間座っているなんてできない、もうやめよう、と思った。
次に、薬物治療を受けることになった。とても低用量の抗鬱薬で、外陰痛には一般的な治療方法だった。2カ月服用して、自分には向いていないと確信した。膣拡張器も処方されたが、薬局に受け取りに行く気にどうしてもなれなかった。
それから6カ月間、私とボーイフレンドはまったくセックスをしなかった。休暇中に1度したかもしれないけど、それだけだった。あまりに酷い状態だったから、2人で性心理学のセラピストに相談しに行ったりもした。はっきり言って、私には何が原因なのか、何故自分がこんな目に遭うのか、まったく分からなかった。
似たような境遇の女性を見つけられないかとネット検索し続けた。自分は要するにダメな女性で、女性としてはもう永遠に終わってしまったのだとさえ思った。この彼とは、結婚して一緒に子供を作りたいと思っていたのに…。
そして、大学卒業後の11月、私たちは別れた。彼はセックスが問題ではないと言ったが、私には心のどこかでそれが本音ではないことを知っていた。
私は、マッチングアプリをダウンロードして独り身を楽しむことにした。たくさん良い相手が見つかり、友人たちが私の成果を「卒業後のゴールドラッシュ」と呼ぶほどだった。でも私自身は、男性に会ったとしても、彼がセックスを求めてくるのが心配でたまらなかった。最初にそうなった時、私は心底怯えていた。
アプリを介して知り合った男性と何度かデートをして、彼のことを本当に好きになった。ある晩、座っておしゃべりに興じているうちに、終電を逃してしまった。彼は私にディナーを作って、素敵にリードしてくれた。でも当然、私は自分の膣の問題について何も明かしてなかった。
女性として、きちんと機能していない自分の膣については語りたくないものだ。セックスをし、赤ちゃんを宿すのに使う器官なのに、自分の膣にはそんな機能が果たせないことに私は深刻な危機感を持っていた。しかし、ボーイフレンドと別れて2〜3カ月経っていたその頃、私はセックスをしたくなりつつあった。
そして、私はこの男性の自宅に行き、セックスすることになった。
私はとても怯えていた。でも、何の問題も無かった。まったく大丈夫だったのだ。すべてうまく行った。回復するにしてもとても長い道のりになるのだろうと覚悟していたけれど、骨折した足の治癒を待つのとは訳が違った。問題は私の頭の中にあるだけだったのだ。そして、突然、その問題は消えてしまった。それは、私にとって、真に祝うべき節目だった(相手はそんなことは知りもしなかったが)。
私は他の男性たちにも会うようになった。ある週末には、1人の男性と金曜日の夜にセックスをし、翌日土曜日には別の男性とデートをしたら、彼の家に誘われた。私のバッグには前夜のパジャマが入ったままだったので、そのまま行った。2日で2人も!こういうことをいつもしたいとは思わなかった。でも、またセックスできるようになったことを心底楽しんでいた。もうセックスは出来ないと諦めていたのに。
別れてしまったボーイフレンドとの関係と私たちが抱えた問題を振り返ってみると、私の身体が、私たちがもう「終わり」だと伝えようとしていたのではないかと今にして思う。私の母は、彼と私の「相性」が良くなかったからだと言い続けている。付き合っていた時期の終盤には、兄妹関係になっていたように見えたと言う。率直に言うと、彼とセックスしている時は、彼がして欲しいことを私がするばかりで、あまり自分がして欲しいことを考えてなかった。そうしている内に自分の性的な楽しみを少し失いかけていたのだと思う。外陰痛はきっとその現れだったのだ。
今の私は、誰かと「性的相性が良い」とはどういうことなのかが良く分かる。それは意思疎通があり、セックスが楽しめることを意味しているのだ。
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セックス・ダイアリーは、ハフポストUK版に読者から無記名で寄せられたセックスに関するストーリー。ハフポストUK版に掲載されたものを、翻訳・編集しています。様々なセックスにまつわるストーリーを通じて、性にまつわる喜びや悩みをオープンに語り合おうという2019年の企画です。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
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