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M&M’sチョコレートを製造するアメリカのマースは1月23日、長年愛されてきた公式キャラクターたちの起用を「無期限で停止にする」と発表した。
M&M’sのキャラクターたちは「広報キャンディー」と呼ばれ、商品のパッケージやCMなどで存在感を発揮させていた。
そのキャラクターたちが、広告塔を降りることに。背景にあるのは、保守派の不満だと考えられている。
マースは、キャラクターたちの無期限降板の理由を「社会を分断させたくないから」と説明している。
同社は2022年1月、「すべての人たちに居場所があり、社会をインクルーシブだと感じられる」ためのグローバル戦略を発表。
その一環として、6色のマスコットをイメージチェンジした。この時に、女性キャラクターのブラウンはヒール丈が低くなり、グリーンはゴーゴーブーツからスニーカーに履き替えた。
この変更に不満を抱いたのが、保守派政治コメンテーターのタッカー・カールソン氏だ。
カールソン氏はスニーカーや低いヒールを履くグリーンやブラウンが「セクシーではなくなった」と批判した。
また、マースは9月には新たな女性のキャラクターとしてパープルの加入を発表した。
その後2023年1月にはグリーンとブラウン、パープルだけが入った期間限定のパッケージを販売し、売上の一部をジェンダー平等や女性の雇用を支援する団体に寄付するとキャンペーンを開始した。
カールソン氏は、このキャンペーンに対しても「ウォーク(差別などの社会問題に対して高い意識を持つ人たちのこと)だ」と不満を爆発させ、「グリーンのM&M’sは、今はレズビアンなのかもしれない」「プラスサイズの太ったパープルのM&M’sもいる」と揶揄した。
今回マースが発表したキャラクターの降板は、この批判が背景にあると見られている。
マースは23日の声明で「昨年、多くの人たちから愛されている広報キャンディーたちに少し変化を加えました。気付く人がいるかどうかわかりませんでしたし、ましてやそれがインターネットを分断させるなんて考えもしませんでした」とつづっている。
「しかし今、私たちは理解しました――お菓子の靴でさえも、世の中を対立させる可能性があるということを。それは人々を結びつけるためのものであるM&M’sが全く望んでいないことです」
マースは、チョコのキャラクターたちに代わり俳優でコメディアン歌手のマヤ・ルドルフ氏がM&M’sの広報担当になると伝えている。ルドルフ氏は2月12日に放送されるスーパーボウルのCMから広告塔を務める。
ルドルフ氏は23日に放送されたNBCの「Today」に出演して「M&M’sと働けることをとても楽しみにしています。子どもの頃からこのお菓子が大好きで、このような有名なブランドのキャンペーンを依頼されたことを光栄に思います」と述べた。
キャラクターたちの降板が発表された後、TwitterなどのSNSには批判や失望、悲しみの声が多数投稿された。その一方で、これはスーパーボウルに向けたマーケティングの一環ではないかという指摘もある。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
M&M'sのキャラクターが無期限の降板に。理由は「世の中を分断させたくないから」