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アメリカで最近よく話題になる言葉がある。
「Nepo Baby(ネポベイビー)」だ。
「ネポベイビー」とは、「ネポティズム(縁故主義)・ベイビー」の略で、親の名声のおかげでセレブになった子どもを揶揄する呼び方だ。日本でいう「親の七光り」や「2世セレブ」にあたる。
ハリウッドには今も昔も多くの「ネポベイビー」が存在し、近年頻繁に話題になっているが、2022年12月に『New York Magazine』が「ネポベイビーの年」と題した特集を掲載してから、この言葉はさらに盛り上がりを見せている。
親から譲り受けた名声やルックスは生まれもった特権であり、それが彼らのキャリアの手助けになっていることは否定できないだろう。そのため、その特権を羨ましく思ったり、不快に感じて批判する人は多い。
そこで注目されるのが、当事者たちが「ネポベイビー」であることをどう受け止めているかだ。その発言によって、好感度を上げるセレブも、逆に批判されるセレブもいる。
ジョニー・デップの娘で、モデルや女優として活躍するリリー=ローズ・デップは、後者にあたる。
彼女はElle誌のインタビューで、両親が有名だからといって、映画やモデルのキャスティングで優遇されてはいないと否定した。
「その役にふさわしい、という理由以外でその役を得られることはない」
「ドアに足を一歩踏み入れることはできても、ただそれだけのこと。その後にたくさんやる仕事がある」
この発言は、モデルや俳優業界、そしてネットユーザーから厳しい批判を浴びた。Twitterでは、「ドアに足を一歩踏み入れるのが、普通の人にとってどれだけ大変なことか」などと厳しいコメントが寄せられた。
また、ネポティズムを「ファミリービジネス」と呼ぶセレブもいる。ミュージシャンであるレニー・クラヴィッツの娘であるゾーイ・クライヴィッツは「ファミリービジネスを続けるのは普通のこと」と話し、息子たちが俳優として活躍中のトム・ハンクスも同様の見解を述べた。
一方、ネポベイビーとしての特権を素直に受け止めているセレブもいる。著名なジャーナリストを父に持つ俳優アリソン・ウィリアムズは「ネポティズムは全くフェアじゃない」と述べ、「私が俳優としてスタートするのと、何のコネもない人がスタートするのはバカらしいほどの差がある」と話した。
また、ネポベイビーならではも悩みもあるようだ。
俳優の母親を持つグウィネス・パルトロウは、同じくネポベイビーのモデル、ヘイリー・ビーバーのYouTube番組でこの話題に言及し、コネがあるためスタートはフェアじゃないと認めた上で、「入ってからは、他の人の倍努力して倍上手でなくてはならない。だってみんな、あなたは親のお陰でここにいると言って、私を引きずりおろそうとするから」と話した。
ネポベイビーといえど、様々だ。パルトロウのように、すでに自分のキャリアとステータスを築きあげたセレブもたくさんいる。
64歳のベテラン俳優ジェイミー・リー・カーティスもまた、俳優の両親を持つネポベイビーだが、もはや誰もその事を気にはしない。そんな彼女はInstagramで、こうした会話は当事者を「おとしめ、否定し、傷つけようとするものだ」と議論自体を批判している。
この論争に終わりは来るのだろうか?つい先日も、俳優の娘であるヘイリー・ビーバーが「Nepo Baby」と書かれたTシャツを堂々と着用し、話題となったばかり。
2023年も、この議論はしばらく続きそうだ。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
今アメリカで議論が加熱している2世セレブ、「ネポベイビー」。当事者たちはどう受け止めているのか
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