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ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相が1月19日、「もう職務を十分に果たす余力がない」として辞任を表明し、その決断への勇気と誠実さが支持されている。
私たちのほとんどが、一生に一度は経験するであろうバーンアウト(燃え尽き症候群)だが、その症状は必ずしも明確ではない。
アーダーン首相は辞任スピーチで、仕事を続けるには「十分な余力が残っていない」と述べ、「非常に困難」であったこの6年間が大きな負担となったと説明した。
「これは栄誉ある仕事ですが、責任が伴います…国を率いるのに適切な人間であるか否かを認識する責任も。だから辞任するのです。この仕事がどれだけ大変か理解しています。そして、この仕事を正当にこなすだけの余力が自分に残っていないことも分かっています。単純なことです」
アーダーン首相は進歩的な政治と国民の心に語りかける能力で、世界的な名声を得た。
私たちの多くは首相になることはないだろうが、どんな仕事にもそれぞれ困難がある。
心理学者のタラ・クウィン・シリリオ博士は、そうした「燃え尽き症候群」の症状を早期に認識することが重要だと話す。
・大半の時間、疲れていたり疲労感を感じている
・無気力・否定的な思考パターン
・自信喪失・集中力・処理能力に問題が生じる
・仕事や勉強への熱意の喪失
・パフォーマンス低下
・睡眠障害
・気分の変化、イライラ
・家族や友人などへの関心の喪失
など
ただ、これらの症状の一部があるからといって、必ず燃え尽き症候群であるわけではない。
自分が燃え尽きたと認識していても、次のステップを考えるのは難しい。クウィン・シリリオ博士は、自分のニーズに焦点を当てるべきだと話す。
「このままの生活を続けていると、自分の心身にどんなリスクがあるのか問いかけてみましょう。もちろん収入などの問題もありますが、人事と相談したり、セラピストなどの専門家のサポートを得るなど、状況を改善するための選択肢はいくつもあります」
自分のニーズや長期的な選択肢を考慮しながら、辞めることを決意するのが有益な場合もある。しかしその際も、大胆に行動する必要はなく、雇用の選択肢や自分が圧倒されるトリガーの他の要因を検討するのも良いとクウィン・シリリオ博士は話す。
「仕事以外がトリガーになっている場合もあります。例えば完璧主義であることが、燃え尽き症候群の一因かもしれません」
燃え尽き症候群の兆候に対処し、予防するためには、以下のような行動がある。
・境界線を引く
・完璧主義を手放す
・サポートを求める
・他の人に相談する
・睡眠をとる
・自然と触れ合う
・メディアを制限する
など
自分に優しく、自らの健康を優先すること必要がある。「自分が燃え尽きてしまうパターンを自覚し、その状態を続けるリスクを認識しましょう」とクウィン・シリリオ博士は話す。
「あなたは自分の健康や幸せをどれだけ大事に思っていますか?自分の健康やメンタルヘルスを危険に晒すほど自らを追い込んだら、どうやってバランスの取れた生活を実現できるのでしょう?」
またクウィン・シリリオ博士は、他の人の意見や行動にも気をつけるべきだと言う。職場での有害な環境が、自らの考え方に影響を与え、不健康な仕事と生活パターンを永続させている可能性があるからだ。
「仕事やプロジェクトなどを辞めることに対して、他の人があなたに罪悪感を抱かせる可能性があります。自分を追い込む思考は罪悪感をさらに強め、不安や憤り、そしてより圧倒され、自分の価値観とズレた生活に繋がってしまう可能性があるのです」
ハフポストUK版の記事を翻訳・編集しました。
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バーンアウト(燃え尽き症候)とは? アーダーン首相が「余力が残っていない」として辞任