日本人は世界で一番「二度と旅行しない」と考えている人の割合が多いことが、海外の最新調査によって明らかになりました。パンデミックの影響が収まりつつあるにも関わらず、なぜ日本人はいまだに旅行をしたがらないのでしょうか?その理由について、海外メディアが様々な視点から解説しています。
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米メディア「CNBC」が取り上げた、15カ国16,000人の成人を対象に行ったモーニング・コンサルタントの調査によると、「二度と旅行しない」と答えた人の割合が最も高いのはアジアであることが判明しました。
調査結果によると、韓国の約15%、中国の約14%が「二度と旅行しない」と回答しています。中国は特にロックダウンや厳しい制限が続いていたため、旅行意欲がなくなった人が多くても不思議ではありません。
しかし、アジアの中でも飛び抜けているのは日本です。「二度と旅行しない」という回答を選んだ日本人の割合は、なんと35%にものぼります。
回答者は今年、4月と7月の2回、調査を受けたそうです。日本人の回答は、今後3ヶ月間(+7ポイント)、今後12ヶ月間(+4ポイント)と旅行を計画している人が増えています。しかし、依然として「二度と旅行しない」と考える日本人は多かったとのことです。
また、日本の回答者の約45%が今後1年間に旅行するつもりと答えたのに対し、中国では65%、韓国では66%でした。ちなみに、ドイツの回答者の場合、77%が今後12ヶ月間に旅行をする予定であると回答しています。
そもそも、日本人はパスポートをあまり保有していません。日本人のパスポート所持率はわずか約23%とG7諸国の中で最も低いです。ちなみに、アメリカ人のパスポート所持率は2019年時点で約44%です。とはいえ、今回の調査の対象は「旅行」であり、国内・海外に限ったものではありません。
米経済誌「Forbes」はこれについて、調査からみえた日本人が旅行をしない理由を5つ取り上げています。
コロナ渦の影響の1つは、人々が旅行中に感じる健康と安全のリスクです。旅行はより多くのものにさらされるだけでなく、母国の医療サービスから遠く離れてしまうため、人々を不安にさせるのです。日本では、「リスク回避の文化的選好」があり、それが家にいることを誘引している、と研究者は述べています。
世界のどこにでも素早く行けるようになったとはいえ、旅にはストレスがつきもので、人々に不安を与えています。調査では、ストレスや不安による旅行の遅れ、言葉の壁(日本語は英語、スペイン語、その他のロマンス語ほど世界中で使われていない)などの現実が原因として挙げられています。
アメリカ人と同様、日本人もまた、休みが少なく、休暇をとれないというプレッシャーのかかる労働環境にあります。また、近年は、円安やコロナ禍の影響もあり、旅行費用が大きな問題となっています。
日本人はそこまで当てはまりませんが、他の国々の調査では、旅行が資源に負担をかけ、環境に悪影響を及ぼすと感じている一部の人々にとって、持続可能性と環境主義が邪魔になっていることも示唆しています。
航空機の二酸化炭素排出量、地域資源を利用したメガリゾート、旅行による地域生活の乱れなどの現実がその要因です。
最後に、海外旅行への関心が低い理由として、国内の選択肢が豊富であることが挙げられました。報告書によると、日本の豊かな自然、歴史、文化が、自国に近い場所を探索する動機付けになっているとのことです。
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「二度と旅行しない」と答える日本人の割合にがく然…なぜ韓国・中国とこれほど差があるのか