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日本人が1週間に料理をする回数は、女性が9.1回に対し、男性は3.5回ーー。
料理レシピサービスを運営するクックパッド社が、「料理とジェンダーギャップ」にまつわるデータ(2021年版)を発表した。
世界平均の女性8.7回、男性4.7回に比べると、ジェンダーギャップは大きい。一方で男女の料理頻度の差は若い世代ほど小さい傾向にあることも分かった。
コーポレートブランディング部の新居日南恵(におり・ひなえ)さんは調査結果について、「『料理は女性がするもの』という価値観が、日本で共働き世帯の数が専業主婦世帯を上回った1994年ごろ以降に生まれた人たちを中心に、当たり前ではなくなってきていることが大きいと思います」と分析。
「この世代が上にあがっていくほど、男女の料理におけるジェンダーギャップは縮まっていくかもしれません」と話す。
調査は現代社会での家庭料理の役割について研究議論を深めることなどを狙いに、2018年から毎年、アメリカの世論調査企業「ギャラップ社」と共同で実施している。
最新の2021年の調査結果では、日本人の1週間当たりの昼食と夕食の料理頻度は6.4回。世界平均は6.7回で、調査を行った113か国中63位となった。
男女別に結果を見ると、男性は3.5回、女性は9.1回。世界平均は男性が4.7回、女性が8.7回だった。
日本で男女の料理頻度の差が大きい背景について、新居さんは「日本を含め、労働時間が長い国の方が男性の料理頻度が少ない傾向にあります。また男性が働き、女性は家事・育児を担うという性別役割分業の意識も残っているのでは、と考えています」と話す。
年代別でみると、15〜24歳が4.1回、25〜34歳が5.3回、35〜49歳が5.1回、50〜64歳が6.3回、65歳以上が8.4回。年齢が上がるにつれて、料理頻度も増える傾向がみえた。
女性のみで結果をみると、15〜24歳が4.9回、25〜34歳が6.9回、35〜49歳が7.8回、50〜64歳が9.9回、65歳以上が10.9回。
一方で男性は、15〜24歳が3回、25〜34歳が3.9回、35〜49歳が3.1回、50〜64歳が3回、65歳以上が4.3回で、若い世代の方が料理頻度が高い傾向がみえた。
新居さんは、「若い世代ほど男女の料理頻度の差が小さいことがわかりました。この世代が上にあがっていくことで、全体的にも男女の料理頻度のギャップが縮まるという希望が見出せるのではないでしょうか」と話す。
また同社は、若い世代は共働き世帯出身の人が多いこともこの結果に拍車をかけているとみている。
同社がZ世代を対象に実施したインタビューでも、実際に父親が日常的に料理をしていたと話す人は少なかったが、「料理は女性がするものだと言ってはいけないという空気」は強いと感じている若者が多くいたという。
近年はレシピを発信するインフルエンサーも男性が多いことから、男女ともに「料理は女性のものと思ったことはない」という声も多く聞かれた。父親世代が退職が近づき時間に余裕ができたことから料理をするようになったという変化を目の当たりにした人も多かったという。
新居さんは「男性も女性も家庭でも職場でも活躍できる社会に変化しようとしている今、料理という日常の多くの時間を占める行為について、男女ともその役割を楽しみ、共に担えることは大きな意味を持つと思います。若い世代の料理に対する意識と行動の変化がそれを後押ししているように感じています」と話す。
<取材・文=佐藤雄(@takeruc10)/ハフポスト日本版>
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