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世界的に知られるルイ・ヴィトン。その路面店の店頭に立っていたのは…なんと現役のJリーガーだった。
サッカーJ2・水戸ホーリーホックの山口瑠伊選手がルイ・ヴィトン表参道店で接客を行なった。山口選手はU-22日本代表に選出歴がある若手の成長株だ。そんな選手がなぜ今、ハイブランド店舗の店頭に立ったのか。
この取り組みは、山口選手が所属する水戸ホーリーホックとルイ・ヴィトンジャパンが人材育成を目的に協働で行ったものだ。ルイ・ヴィトンジャパンはアスリートのセカンドキャリアを支援していて、今回は「現役の」アスリートが将来のキャリアデザインを意識するための機会を提供したという。
山口選手は2日間にわたって職業体験として店舗での接客や販売のサポートを行なったという。
スポーツの世界から次のキャリアを目指すアスリートを応援するとともに、スポーツ業界に限ることのない「セカンドキャリア」の実現を支援するという目的がある。
選手にとって、学びは多かったようだ。山口選手は「サッカー以外の職業体験は初めてでした」とした上で、表参道店の一員として働く経験を通して学んだことについて、以下のようにコメントしている。
接客においては、来店時のお迎えの仕方、お客様との距離感やアプローチの方法、製品の見せ方、香水の付け方、接客時の所作やルール、動き方の順序、購入してくださった製品を渡すタイミングと場所など、ディテールに拘ることの大切さや、質の高いコミュニケーションが良い結果をもたらすことを実感しました。
人間力の向上を目指すことの大切さ、現役選手である今から将来をリアルに意識することの重要性に気付くきっかけにもなりました。一人が意識を変えるとポジティブな結果につながること、良いチームワークを発揮するには質の高いコミュニケーションが欠かせないことも実感しました。
フランスと日本で教育を受けた経験がある山口選手は「今後は両国間の架け橋として貢献出来る人間になりたい」と意気込む。
スポーツの世界で生きるアスリート。そのセカンドキャリアは競技を問わず課題だ。
例えばプロ野球では、NPBが公表している現役若手選手への「セカンドキャリア」に関するアンケート(2021年のデータ)で、66.1%が将来に不安を抱えると回答している(※みやざきフェニックスリーグに参加した選手が対象)
そんな中、サッカーでは選手として現役を続けながら経営者としても活躍する者もいる。
現在、ジュビロ磐田に所属する大津祐樹選手は2020年1月、大学生のサッカー部員の就職活動などを支援するプロジェクト『Football Assist』を立ち上げ、自ら会社の代表取締役に就いている。
カタールW杯にも出場した浦和レッズの酒井宏樹選手も、取締役の一人だ。大津選手は当時のハフポストの取材で、セカンドキャリアについて以下のような考えを明かしていた(取材当時は横浜・F・マリノス所属)
少し前の世代も「現役中にビジネスをやっていいのか」「現役中にやっちゃダメなんじゃないか」という葛藤を抱えていただろうし、当時の社会の風潮もあったから実現できなかっただけで。だからこそ、僕らの世代でその“壁”みたいなものは取っ払いたいなと。
僕、『セカンドキャリア』って考え方や言葉が好きじゃないんですよね。そもそも、なんでスポーツ選手はキャリアを分けられなくちゃいけないの?っていつも思うんです。自分の場合はこれまでサッカーで学んだことを活かして、引き続き選手としてプレーをしながら新たな仕事やビジネスにつなげる。その全てが僕の「キャリア」だと思っています。
W杯ではベテランとしての存在感とともに、「ブラボー」の言葉でチームを鼓舞する印象が強く残った長友佑都選手も、現役選手でありながら経営者の顔も持つ選手の1人だ。
サッカースクールの運営をはじめ、2016年にはヘルスケアや健康的な食事を提案する事業会社『Cuore』を設立しているが、2019年の取材ではキャリアや副業について過去にこのように語っている(取材当時はトルコ・ガラタサライ所属)。
少しでも本業にプラスになるのであれば、色んな分野で挑戦をするべきだと思うし、僕自身は、色んなことにチャレンジすることで実際にサッカーに活きているので、それは自信を持って言えますね。
まずは軸となる柱がきちんとあって、その上で柱の数を増やしていくようなイメージ。すると、一本の柱が倒れたとしても、他の柱が支えてくれる。
もちろん、1つのことだけ極めていくのも素晴らしいことではあるんだけど、僕の考えとしては、色んな柱を自分で建てていきたいなって思いますね。
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スポーツ選手は競技引退後に次のキャリアを考える─。時代は変わってきている。それはもう、過去のことなのかもしれない。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
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