カニの美味しい食べ方のひとつにカニ鍋がありますが、ポイントを抑えると一層美味しくなるそうです。詳しい話を船橋地方卸売市場の株式会社ヤマスエ水産取締役、内海貴久さんに伺いました。
「これらのカニの販売方法は大きく3つに分けられます。主に水揚げ後も生きたまま販売される『活き』、生のカニを茹でずに冷凍した『生冷凍』、水揚げ後ボイルして冷凍した『ボイル冷凍』です。このうち、手に入りやすいのは生冷凍とボイル冷凍です。
生冷凍は、生のまま冷凍されて旨みが身に残っているので、旨みが引き出される料理に向いています。ボイル冷凍は、すでに塩茹でされているので解凍すればそのまま食べられる便利さがあります。このように食べ方によって生かボイルを選ぶとよいでしょう」(内海さん)
「生冷凍は茹でていない分、身に旨みが残っているので、カニ鍋を作るなら旨みで出汁が美味しくなる生冷凍をおすすめします。ただし、生冷凍は鍋に入れて火が通ると、殻に身がくっついてはがれにくいので、カニ専用のスプーンなどを使うと食べやすくなります。
また、お子さんなどの場合は完全に殻が取ってある『むき身』か、半分だけ殻を残してある『ハーフポーション』がおすすめです。
一方、ボイル冷凍は旨みは生冷凍よりやや落ちますが、一度加熱されているので殻から身がはがしやすく、食べやすいメリットがあります」(内海さん)
「生冷凍は丈夫なポリ袋などに入れ、5~10分位流水で解凍し、半解凍の状態で鍋に入れます。ボイル冷凍は冷蔵庫でゆっくり解凍してから鍋に入れますが、すでに茹でてあるため、長時間加熱すると身が固くなりパサパサしてしまいます。鍋に入れたら温まったぐらいで引き上げるのがポイントです。
また鍋の出汁ですが、カニの旨みを生かすため昆布を1枚入れた昆布出汁がおすすめです。出汁の主張が強すぎるとせっかくのカニの風味が味わえなくなるからです」(内海さん)
カニを食べた後の手の匂いは、ウーロン茶やお酢で洗うと取りやすくなるそうです。年末年始は美味しく作ったカニ鍋で家族だんらんを楽しみましょう。
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