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2022のベスト発明に選ばれた〝羽なし風力発電機〟Aeromineの革新性

米「TIME」誌が発表する2022年のベスト発明品に、エアロミネ・テクノロジーズが開発した屋上に設置ができる羽がない風力発電装置「エアロマイン」が選ばれました。この革新的な発電機について、海外メディア「pv-magazine」が解説しています。

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*Category:テクノロジー Technology *Source:interestingengineering.,pv-magazine,Ryan Kennedy,TIME,Dyson

羽がない次世代の風力発電システム「エアロマイン」


エアロミネ・テクノロジーズが開発した新しい風力発電装置「エアロマイン」の特徴は、風力発電の一番の特徴である風車のような「羽」が無いことです。

「エアロマイン」は、風向きの強い建物の屋上の端に設置し、レーシングカーのウイングのような空気力学を利用して気流を捕らえ、風を増幅させて発電するという仕組み。構造はいわゆる「羽なし扇風機」と少し似ています。


「エアロマイン」が実際に動作している様子は、以下の動画から確認することができます。


「エアロマイン」は通常、20〜40台のユニットを風向きの強い建物の端に設置する仕組みです。同社によるとこのユニットは「あらゆる天候下でエネルギーを生産することができ、屋根への設置面積も小さいため、屋上太陽光発電との組み合わせも可能とのことです。

また、屋根の設置面積がソーラーパネルと比べ約10%しかないため、他の発電装置と組み合わせて利用することも可能です。マンションの屋上に複数設置されている様子を見てもコンパクトなことが分かります。


さらに「エアロマイン」は、太陽光発電に比べ、50%も高効率とのこと。また、従来の風力発電機とは異なり、この特許取得済みのシステムは羽が動かないため「事実上無音」であり、鳥などへの被害もなくすことができるそうです。

エアロミネ・テクノロジーズのCEOであるデビッド・アサーノウ氏は「これは、急成長する屋上発電市場に新たな価値をもたらし、企業が未開拓の分散型再生可能エネルギー源を用いてレジリエンスやサステナビリティの目標を達成することを支援する画期的なものです」と語りました。


テック系メディア「INTERESTING ENGINEERING」は、エアロマインの創業者でCTOのカーステン・ウェスターゴー博士に、この発電機についてインタビューを実施。「ダイソンの羽根のない扇風機に少し似ている」という点について、同じようなコンセプトなのかを質問しています。

博士によれば、ダイソンの羽なし扇風機と「エアロマイン」の仕組みは「ほとんど異なる」とのこと。さらに、これまでの風車とも違う仕組みだそうです。

エアロマインは、他の風力発電機とは異なり、2つの独立した流れを持っています。ダイソン式扇風機と似ているのはこの点だけで、物理的な仕組みが大きく異なります。

ダイソンの羽なし扇風機

詳細な説明は難解ですが、要するに仕組みは従来の風力発電機よりも、水力発電機に使われているカプランタービンに近いものだそう。ただただ風の向きを変えているだけではない、というワケです。

エアロマインの開発においては、風洞実験やコンピューターモデル、フィールドテストなどが行われたとのこと。テキサス工科大学、ニューメキシコ州のサンディア国立研究所の協力もあり、数多くの研究論文が発表されたそうです。なお、現在のエアロマインについては、第7世代で、「製造だけでなく、建物との統合のために最適化されたもの」としています。

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2022のベスト発明に選ばれた〝羽なし風力発電機〟Aeromineの革新性