東アフリカに位置する、人口1106万人の南スーダン。
洪水や干ばつなどの影響を受け、飢餓と栄養不良が広がっていることから、国連が警鐘を鳴らしている。
国連は11月3日、「総合的食料安全保障レベル分類(IPC:Integrated Food Security Phase Classification)」の最新の分析結果を公表。報告書では、「南スーダンで飢餓に苦しむ人々の数は過去最高水準に達している」と指摘している。
洪水、干ばつ、紛争の影響を受けた地域では飢餓と栄養失調が増加しており、支援が継続され、気候適応策が拡大されない限り、一部のコミュニティが飢餓に直面する可能性があるという。
人口のおよそ3分の2にあたる770万人以上が、2023年4月から7月までの作物収穫量が減る時期に、急性食料不安に直面し、140万人の子どもが栄養失調に陥る可能性があると警告している。
日本ユニセフ協会は、こうした食料安全保障の低下と栄養不良の広がりは、紛争やマクロ経済状況の悪化、異常気象、食料・燃料価格の高騰などの複合的要因と結びついているとし、人道的ニーズが確実に増加しているにもかかわらず、人道支援活動に対する資金は減少していると訴えている。
南スーダンでは数年にわたって洪水に見舞われており、2022年10月にも「洪水によっておよそ約90万9000人が影響を受けた」と伝えられている。
日本ユニセフ協会は、「南スーダンにおける2023年の人道的対応のための資金が、今後数カ月以内に緊急に必要です」と訴え、「さもなければ、人道支援機関は来年に向けた人道支援の準備が間に合わず、数百万世帯が飢餓の悪循環に深く陥ってしまう危険性があります」と警鐘を鳴らしている。
南スーダンは、長い内戦の末、隣国スーダンから2011年7月に分離・独立を果たした。だが、その後も政府軍と反政府武装勢力の間の武力衝突などの内紛が続いた。2020年2月に統一政府が発足したが、その後も国内での武力紛争や暴力が懸念されている。
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「140万人の子どもが栄養不良に陥る可能性」南スーダンで広がる飢餓に国連が警鐘