“かわいい4人組の車上荒らし“と目が合った。キャンピングカーで「ほかほかご飯にツナ缶をもりつけたら…」

「1人でキャンピングカーで旅してて 1番焦ったのってこの時だったかもしれない」

そんな一言とともにTwitter上に投稿された写真が注目を集めている。「焦り」がマックスに達した瞬間の写真に対して、2万6000件のリツイートと20万1000件の「いいね」が殺到した。

投稿したのは、ライターのうめのさん(@UmeGohanTudu)。2017年の夏から6年以上、キャンピングカーで日本各地を旅し、その様子をSNSや動画で伝えている。

キャンピングカーで旅しているうめのさん

ハフポスト日本版のうめのさんへの取材によると、今回、大注目を浴びた写真を撮影したのは、2017年11月。キャンピングカーで日本を一周しようと夏に北海道を出発し、和歌山県の海の近くの公園に到着したときだったという。

「旅では節制していたので、車内で食事を作っていました。11月でしたが比較的暖かかったので、キャンピングカーのドアを開けて換気をしながら、ほかほかご飯にツナ缶をもりつけたときでした。視線を感じ、見てみると……」

x.com

そこには、猫たちが「わらわらと」いたという。Twitterに投稿された写真にはっきりと写っているのは3匹だが、隅にもう1匹いたといい、合計で4匹。Twitter上では、「かわいい4人組の車上荒らし」と表現する人もいた。

「4匹もの猫に車内を覗き込まれていたので、びっくりしました。魚のにおいに反応したて寄ってきたのだと思います。目がマジでしたから……。

一斉に乗り込んでくる気配を感じたので、慌ててドアの手前で制しました。ですが、1匹制すれば、もう一方からと、にっちもさっちもいかない押し問答が続きました

ツナ缶のにおいに釣られて吸い寄せられてきたとみられる猫たち。ただ、うめのさんは、ツナ缶がないときにも猫がキャンピングカーに寄ってくることがあると証言する。

「キャンピングカーは断熱がしっかりしていて暖かく、食べ物があるので、猫にとっては魅力的だと思います。見るからにふかふかの布団やクッションもありますから、今回に限らず人馴れしてそうな猫はキャンピングカーに乗りたがるんです」

うめのさんは、観光地ではない「マイナーな場所」を好んで訪問することが多いという。そのことも、猫との関係に影響していると思うそうだ。

「猫にとってはよそ者の私が珍しいようで、逆に観察されてるように感じることがあります」

旅先を地元とする猫たちがキャンピングカーに寄ってくるたび、うめのさんはどうしたらいいか悩むという。

「かわいいので懐かれたいと思い、餌をあげたい気持ちもありますが、地元の人と猫との付き合い方があるでしょうから、よそ者が簡単にあげていいのかわかりません。

だからといって、キャンピングカーのドアや窓を開けないことはできません。猫の動きや位置を完全に把握するのも無理……。

どうすればいいか考えれば考えるほど苦悩してしまいますが、そうやって人間を悩ませるのが猫なんでしょうね。きっとまた同じことがあったら、猫に振り回されるんでしょう。まったく猫ですね」

 旅先で多くの猫に出会い、今や猫を見ればわかることが増えたという。

「猫は『地域のバロメーター』だと思います。猫を特定の誰かがかわいがっている地域や、みんなで世話している地域。耳の形や、目の光。猫を見れば、地域がわかるようになりました。

地域の歴史や動植物との関係性を学ぶヒントになると、旅の中で気がついたのです」

そんなうめのさん、猫たちにより「1番焦った」という瞬間の写真を投稿した今年秋には、北海道から東北地方へと渡ったそうだ。

「毎年、夏は地元の北海道で過ごしますが、冬の雪を避けるため、船で車ごと本州に渡ります。いつも各地で何かしら面白いことに出会うんです」

かわいい猫たちとの出会いがまだまだ待ち受けていそうだ。

〈取材・文=金春喜 @chu_ni_kim / ハフポスト日本版〉

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