10代LGBTQの48.1%「自殺を考えたことがある」。マイノリティの心の声「安心して話せる相手や場所がない」【調査結果】

部屋で悩みを抱えている女性(イメージ画像)

認定NPO法人ReBitは、LGBTQなどのセクシュアル・マイノリティの子どもや若者を対象に学校生活や暮らし・就活等の現状について尋ねたアンケート調査の結果を公表した

2022年9月に実施した『LGBTQ子ども・若者調査2022』。調査結果では、10代のうち、1年間で「自殺を考えたことがある」と回答したのが48.1%、自殺未遂をしたという人も14.0%にのぼった。

要因の1つとして「保護者や教師に相談できない」などという実情が深刻であることがわかった。

48.1%、過去1年の間に「自殺を考えた」

ReBitはLGBTQの子ども・若者特有の困難解消と、多様性を包摂する社会風土の醸成を通じ、LGBTQを含めた全ての子どもがありのままで大人になれる社会の実現を目指す、認定NPO法人。今回のアンケート調査は12から34歳の当事者2623人から有効回答を得たものだ。

10代のLGBTQに関する結果では、過去1年の間に「自殺を考えた」としたのが48.1%と、10代全体の割合と比べて3.8倍高いことがわかった。

さらに詳しく見ていくと、実際に自殺未遂をしたという割合が14.0%、自傷行為を経験した割合が38.1%だった。

また、「普段からセクシュアリティについて安心して話せる相手や場所がない」と回答したのは、10代LGBTQが47.2%、20代が36.9%、30代が32.9%だった。身近に相談できる人がいないという深刻な課題が浮き彫りとなった。

関連で、過去1年で心身不調や精神疾患を経験したと回答したのは10代LGBTQの52.3%で、その中でも症状として「不眠」を挙げた人の割合は34.5%だった。

一人ひとりを悩ませているのは「保護者との関係」?

保護者との関係で多くの人が悩んでいる傾向も浮かび上がった。

調査では、LGBTQのユース(10代から30代前半)の91.6%が、保護者とセクシュアリティに関することで安心して話せない状況にあることがわかった。

具体的な状況として挙げられたのが、「保護者からLGBTQでないことを前提とした言動があった」で66.0%、さらに「保護者に自分のセクシュアリティを隠さないといけなかった」は49.7%だった。

富山県の男性は「親に『お前そっちじゃないよな』など探りを入れられる度に『そんなわけない』と嘘をついて笑うことが辛かった。家の中でさえ、自分が自分でいられないことが辛かった」とコメントしていた。

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