ロンドン(CNN Business) 国際通貨基金(IMF)が世界経済の見通しを再び下方修正した。「最悪はこれからであり、多くの人々にとって2023年はリセッション(景気後退)のように感じられるだろう」との厳しい警告を発している。
IMFは11日、予測される来年の世界経済の成長率を2.7%に引き下げた。25%の確率で2%を下回るともしている。今年の成長率予測は3.2%。
来年の予測は7月時点の発表から0.2ポイント低下した。ロシアによるウクライナでの戦争や、高インフレ、中国経済の停滞が影響を与えたとみられる。
IMFのチーフエコノミストは「世界経済の3分の1以上を占める国々が今年もしくは来年、経済の縮小に見舞われるだろう。一方で米国、欧州連合(EU)、中国では停滞が続く」と述べた。
今回のIMFによる見通しは01年以降で3番目に弱気の数字となった。これを下回るのは08年の金融危機の時と、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)のピーク時のみ。
1970年以降、世界経済の成長率が2%に届かなかったのは5回しかない。
世界的なインフレについて、IMFは今年これからピークを迎えるとしつつ、「当初の予想よりも長く高止まりする」とみている。
世界のインフレ率は昨年の4.7%から今年は8.8%に上昇する見通し。その後は2023年に6.5%、24年までに4.1%へと低下するとみられる。
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