夕方以降になると、にぎわいを見せ始める自習室「勉強カフェ」。
仕事を終えた人たちが続々とやってきては、おのおの勉強に打ち込んでいます。
お金を払って自習室を利用する理由は何なのか? 一体、どんな人がやってくるのでしょうか?
朝日放送テレビ(ABCテレビ)の平日夕方のニュース番組『news おかえり』がスポットを当てました。
街で気になる場所にカメラを向けるシリーズ「真夜中の定点観測」で紹介された動画が公式YouTubeチャンネルで公開されています。
取材班は、オフィス街のビルの中にある「勉強カフェ大阪本町」にカメラを設置しました。
ここは、勉強したい人が誰でも利用できる自習室。
室内には机が用意され、パソコンを開く人や書籍に目を落とす人など思い思いの方法で勉強しています。
利用時間は、朝6時半から深夜12時まで。好きなだけ勉強ができます。
こちらのオーナーは「“生涯学習”という単語も世間的にトレンドなので、継続的に学習する場所は必要なのかなという思いで(やっている)」と語ります。
午後9時20分。
社会保険労務士の資格を取るため勉強していたのは渡邊美咲さん。
母子家庭で一人息子のサムエル君を育てるお母さんです。
社会保険労務士の試験が近いので、仕事が終わってから午後5時から午後10時まで1日5時間、勉強しています。
「今まで流されながら生きてきたので、一度、自分の人生を自分で舵を取ってみたいなと思って、人生の目標をちゃんと見つけて達成したい」と渡邊さん。
そう思うようになったのは、息子のサムエル君がいたからです。
渡邊さんは28歳で国際結婚し、サムエル君が生まれましたが、34歳で離婚。女手一つで育ててきました。
サムエル君は「(お母さんは)いつも夜遅くまでずっと勉強して頑張っている。(夜ごはんはお母さんの帰りを)絶対、待ってる。一緒に食べたいから」と話します。
サムエル君の言葉にほっこりする渡邊さん。「頑張りどきに、頑張らないと」と言います。
頑張る背中を、息子のサムエル君に見せる毎日です。
こちらは金融関係の会社員の女性。
いつか司法試験に合格し、弁護士か検察官になるのが夢です。
これまで司法試験を受けたことはないけれど、夢に挑もうとしています。
この勉強カフェの料金は、1カ月4620円から(2022年8月時点。フルタイム1万1550円)。
家族への思いを胸に勉強する人、自分の将来のために勉強する人。
夜の自習室をのぞいてみると、人の数だけ物語がありました。
この記事は、ハフポスト日本版と朝日放送テレビ(ABCテレビ)の共同企画です。
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夜になるとにぎわう「勉強カフェ」。机に向かう大人たちの物語とは