『つまらないことをカッコよくできるまで』。羽生結弦さんが“基礎”の大切さを説く。「こんな痺れる言葉はじめて聞いた」と反響

プロスケーターとなったフィギュアスケートの羽生結弦さん

現役を引退しプロスケーターとなったフィギュアスケートの羽生結弦さん。最近では出身地である宮城県の放送局の番組に立て続けに出演し、その中での発言が大きな話題となっている。

特に反響が大きかったのは、9月25日に放送されたKHB東日本放送の『サンデーチャージ!&スポーツ』だ。放送時間枠の50分丸ごと羽生さんの特集を組むほどの力の入れようだった。

羽生さんは何を語ったのか。印象的だった言葉を振り返る。

「本当につまらないかもしれないけど…」

7月の記者会見で現役を引退し、プロスケーターとなったフィギュアスケートの羽生結弦さん。9月は宮城県の放送局の番組に立て続けに出演している。宮城県では2018年に冬季五輪2連覇を祝福するパレードが盛大に行われるなど、これまでも羽生さんへの熱い視線が注がれてきた。

羽生さんは各番組で、出身地ならではのトークでも視聴者を楽しませている。

KHB東日本放送の『サンデーチャージ!&スポーツ』では“ゆづづ専用カメラ”と題して、羽生さんのためのカメラでその姿を50分間捉えていた。ちなみに、放送上はCMになっている時間も専用カメラは回っていて、普段はあまり見ることができない素の羽生さんを見ることもできる。

YouTube配信では、番組の本番直前の緊張した表情や、CM中の羽生さんの様子も映っていた。

とりわけSNSで注目されたのは、番組終了間際の発言だった。

羽生さんは、「(アマチュア時代は)宮城の皆さんに話す機会はあまりなかったので、(自分のスケートに対する想いを伝えられてよかった」と発言。
アナウンサーから「第二の羽生結弦を目指す皆さんに特別にメッセージをお願いできますか」とリクエストされると、羽生さんは次のように答えた。

「やっぱり何事も、スケートだけじゃなくて、野球だってそうですしなんでもそうですけど、基礎が本当に大事だなって最近常に感じています。基礎から頑張って、本当につまらないかもしれないけど、そのつまらないことをかっこよくできるようになるまで頑張ってください。そうしたら、絶対にうまくいくと思うので。僕と一緒に頑張りましょう」

羽生さんは「基礎」の大切さを訴えた。

前人未到のチャレンジとなった冬季北京オリンピックでの4回転半ジャンプ。基礎を大切にしてきたからこそ、挑戦できたに違いない。高みを目指し続ける羽生さんの言葉には説得力があった。

さらに「一緒に頑張りましょう」と呼びかけたところに、羽生選手の人柄が反映されていたように感じる。

「これも初めて言うんですけど…」

実は、9月10日放送のTBC東北放送「サタデーウォッチン!」の中でも初出しのエピソードを明かしている。

羽生選手は、北京オリンピックに対するモチベーションが「4回転半ジャンプ」だったとして、「これも初めて言うんですけど、ショートプログラムでも4回転半をやろうと思っていた」とコメントしていた。

筆者は元々宮城県の民放局でアナウンサーをしていた。地元のプロスポーツ選手が番組に生出演するケースは決して少なくないが、YouTubeでの配信を含め、各局がここまで力を入れてインタビューを敢行する例はあまりない。

県民にとって「羽生結弦」という存在がいかに大きいものかを各局の放送が物語っていた。また、全国ネットではなくローカル番組で数々の“金言“やエピソードが出たことにも価値があり、素晴らしいことだと感じた。

SNSでは「羽生くんにはこれまで挙げきれない程の名言がありますけれど、 昨日の『つまらないことをカッコよくできるまで』 は上位に入る名言だと思う」「こんな痺れる言葉はじめて聞いた」など多くの反響が寄せられた。

北京オリンピックでの羽生結弦さん(当時は羽生結弦選手)

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Haruka Ogasawara