ロシアが拘束した日本の領事館員は「目隠しされたまま、身動き取れない状態で連行」。林芳正外相の会見全文

日本の林芳正外相(2022年撮影)Photo by FETHI BELAID/POOL/AFP via Getty Images

ロシア連邦保安局(FSB)は9月26日、金銭で違法に情報を入手したとして、在ウラジオストク日本総領事館の領事を一時拘束した。国営タス通信などが報じた。ロシア外務省は領事を「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましからざる人物)として48時間以内の国外退去を命じたという。

これに対して、日本の林芳正外相は27日午前の臨時会見で「当該館員が、ロシア側が主張するような違法な活動を行ったという事実は全くありません」と反論。

この領事が「終始目隠しをされたまま、両手及び頭を押さえつけられた、身動きが取れない状態で連行」された上で「威圧的な取り調べ」を受けたと明かし、「ウィーン条約及び日ソ領事条約の明白かつ重大な違反であり、極めて遺憾であり、決して受け入れられません」と強く抗議した。

■ロシアへの追加の経済制裁が発表された当日だった

領事館員が拘束された26日は、日本政府がウクライナ侵攻を続けるロシアへの追加を経済制裁を決めた日だった。NHKニュースによると、輸出を禁止する軍事関連団体の対象に、21の研究所や造船所などを加えるほか、化学兵器や生物兵器などに関連する物品の日本からの輸出が禁止された。

■「極めて遺憾であり、決して受け入れられません」林外相の臨時会見全文

外務省公式サイトによると、林外相の臨時会見全文は以下の通り。

【冒頭発言】

昨26日の夕方、ロシア外務省から、在ロシア日本国大使館に対しまして、在ウラジオストク総領事館員が違法な情報収集活動を行ったことを理由に、ペルソナ・ノン・グラータとして同館員の退去を求める要請がありました。

当該館員が、ロシア側が主張するような違法な活動を行ったという事実は全くありません。また、今般の事案で、同領事官は、終始目隠しをされたまま、両手及び頭を押さえつけられた、身動きが取れない状態で連行された上で、威圧的な取り調べを受けており、ロシア側の行為は領事関係に関するウィーン条約及び日ソ領事条約の明白かつ重大な違反であり、極めて遺憾であり、決して受け入れられません。

さらに、こうした不当な扱いを行った上で、当該職員に対しまして、ペルソナ・ノン・グラータを通告したことは信じがたい行為であり、強く抗議をいたします。

これを受け、本日、森外務次官が、ガルージン駐日ロシア大使を外務省に召致し、森外務次官から厳重に抗議をし、ロシア側からの正式な謝罪と再発防止を求めるとともに、日本政府として、相応の措置を講じる必要があると考えている旨述べたところでございます。

ロシア側が今回の日本側の抗議と申入れを真剣に受け止めることを強く求めます。私からは以上です。

【記者団からの質問】
―― 拘束された領事なんですけれども、その後、どのような状態か、現状をお伺いします。

当該館員でございますが、現在は拘束されていないと承知しております。

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