YouTubeは無数のコンテンツで溢れており、「おすすめ」機能はその中でもユーザーが興味を持ちそうなコンテンツを、自動的に表示する仕組みになっています。しかし最新の研究によると、この機能はほとんどユーザーがコントロールすることはできないようです。
*Category:テクノロジー Technology|*Source:Mozilla ,The Verge ,9to5Google
YouTubeでは一般的に、視聴中のビデオがページの中心となりますが、ウェブ上、またはアプリを通じてでも、ページのいたるところにおすすめビデオを見つけることができます。おすすめビデオは、再生中のビデオの横または下に表示され、自動再生では、現在のビデオの最後に別のビデオが表示され、その次のビデオの再生が始まるまでの数秒間にさらにおすすめビデオが表示されます。
Firefoxなどを提供する「Mozilla」は、2万人以上の YouTube ユーザーの動画推薦データを使用し、「興味なし」や「低評価」「このチャンネルをおすすめしない」「視聴履歴から削除」などを行った場合、このおすすめ機能にどのような影響をもたらすのかを調査しました。
この調査によれば、最も効果的なリアクションを返しても、YouTubeのアルゴリズムはユーザーが「興味がない」と答えたコンテンツに類似したおすすめを半分以上通してしまうとのこと。最悪の場合、これらのボタンは類似動画のブロックにほとんど効果を発揮しなかったそうです。
また、5億本以上のおすすめ動画を調査したところ、「低評価」と「興味なし」のシグナルを送ることは、悪いレコメンデーションをそれぞれ12%と11%しか防げていなかったとのこと。「YouTubeは、ユーザーが自分の経験について共有するフィードバックをもっと尊重するべきだ」と「Mozilla」の研究員は指摘しています。
テック系メディア「The Verge」によれば、これに対してYouTubeの広報担当者であるエレナ・ヘルナンデス氏は「これらの動作は意図的なものだ」と述べ、この報告書はYouTubeが行っているコントロールを考慮できていないと批判したとのこと。
私たちのコントロールは、エコーチェンバーを作成するなど、視聴者に悪影響を及ぼす可能性があるので、全体のトピックや視点をフィルタリングしていません。(中略)Mozillaのレポートは、我々のシステムが実際にどのように機能しているかを考慮していないため、我々が多くの洞察を得ることは困難です。
「Mozilla」は今回の調査でYouTubeに対し、そのコントロールを「わかりやすく、アクセスしやすい」ものにすること、そして、おすすめのコンテンツに関して「ユーザーを運転席に座らせる」ことを求めています。YouTube側にも様々な事情はあるようですが、少なくともユーザーからすると、見たくないコンテンツがまた表示されることがストレスであることは変わりありません。
オリジナルサイトで読む : AppBank
YouTubeの「低評価」「興味なし」ボタンを押してもほとんど意味がないという研究結果