「夏は私たちのものでもある」
こう謳うのは、スペイン平等省が開始した夏のキャンペーン。全ての女性に対し、どんな体型でも恥じることなくビーチに行くべきだと後押しする内容だ。
キャンペーンの宣伝ポスターには、体型や年齢、肌の色が異なる5人の女性が水着姿で海を楽しんでいる様子が描かれている。そこには乳房切除した女性がトップレスでビーチで寛いでいる姿もある。
平等省大臣のイレーネ・モンテロ氏はTwitterで「私たちの体はみな正当であり、罪悪感や羞恥心なく、あるがままで生活を楽しむ権利があります。夏はみんなのものです!」と述べた。
ネット上では、多くの人がこのキャンペーンを支持しているようだ。
「このキャンペーン大好き。以前、地下鉄内で見た『夏に向けた体づくり』的なポスターが忘れられない。心の中でこのポスターに貼り替える」
「これ最高。まさにボディポジティブの象徴。自分もプラスサイズなので、このポスターを見て嬉しくなった」
などポジティブなコメントがたくさん寄せられた。
一方、一部の人たちからは、女性だけでなく男性たちの多様な体型の描写はないのか、という声も上がっている。
スペインの政府機関がすべての女性の体を支持しているのは心強いが、夏に向けて体を「準備」しなければならないという考え方はまだ深く根付いている。
ファッション・カルチャーライターでオンラインコミュニティ「The Power of Plus」の共同創始者であるジアンルカ・ルッソ氏は以前ハフポストに、「サマーボディという概念そのものが、ある季節のために自分の体を変える必要があると示唆している」と指摘し、「広告主は『サマーボディ』といった言葉が『社会の規範』的な体型をしていない人たちに与える影響を必ずしも認識していない」と述べた。
では、体に自信のない人はどのように夏に備えれば良いのか?
ソーシャルメディアでフォローしているアカウントを整理するのも1つだ。
Instagramはボディポジティブや自分を受け入れるためのツールになる。あなたの力を引き出してくれるようなアカウントや、ありのままの自分でいることをインスパイアしてくれるようなセレブをフォローしよう。逆に見ていて嫌な気分になるようなアカウントはフォローを解除しよう。
摂食障害回復センターでエグゼクティブディレクターを務める、エリシャ・コントナー・ウィルキンス氏は、「夏に向けて運動や食事を変えなくてはならないというのは、非現実的」と述べ、摂食障害や強迫的な運動に苦しんだことのある人には引き金になる可能性があると指摘した。
そして「喜びや楽しみを感じられる運動を見つけることが大切」と主張した。
その上で、何をすると楽しいのか自分に問いかけてみよう。
パーソナル・トレーナーのクリッシー・キング氏は、「こうやって自分に質問するのは重要です。私たちは、自分の体がどう見えるべきか、何を食べるべきかという情報を吸収するのに多くの時間を費やし、自分が実際に何を望んでいるのか分からなくなるのです」と述べた。
ハフポストUK版の記事を翻訳・編集・加筆しました。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
スペイン政府「夏はみんなのもの」。ボディポジティブなキャンペーンが自信をくれる