夏の高校野球をはじめ、学生スポーツの大会が真っ盛りのシーズンを迎えています。
高校や大学などの学生スポーツでは、チームを支える「女子マネージャー」の存在が度々クローズアップされ、その献身的なサポートがメディアで取り上げられてきました。
筆者も大学時代、陸上部の女子マネージャーとして活動しました。幼い頃からの憧れだった箱根駅伝の舞台に裏方でも関われたことは、一生を通じての思い出となっています。
学生スポーツで人気の箱根駅伝は、参加できるのは男性選手のみ。高校球児の聖地である甲子園球場も、2021年に初めて女子大会の決勝戦が開催されるまで、女子選手には閉ざされた舞台でした。性別を理由に出場などが叶わないものの、中には憧れの舞台に携わりたい、大きな舞台に立つ選手をサポートしたい…と男子チームのマネージャーの門戸を叩く学生も少なくはないでしょう。
その一方で、掃除や洗濯、炊事など“シャドウ・ワーク”に徹し、男性が主体のチームへの貢献や自己犠牲が“美談”として取り上げられることは、男性を女性が支えるという古い「女性的役割」の押し付けだとの指摘もあります。
2014年には埼玉県の高校野球部の女子マネージャーが、部員用のおにぎり作りに集中するため選抜クラスから普通クラスに転籍し、2年間で約2万個のおにぎりを握ったという記事が賛否を呼びました。美談として称賛が集まった一方で、「性別役割分業構造を助長する」とのネガティブな意見も目立ちました。
また、2017年には新潟県の野球部の女子マネージャーが、猛暑の中で男子部員とともに約3.5キロをランニングした後に倒れ、低酸素性脳症で死亡する事故が発生。一部のメディアが、事故の経緯に触れず、美談かのように女子生徒の死を取り上げたことに批判の声があがりました。
学生スポーツでは性別によって役割が異なることもあり、男子マネージャーが部のマネジメントなど責任ある立場を担う一方、女子マネージャーは道具の準備や身の回りの雑用など裏方に徹するケースも見られます。また、「可愛い女子マネがいるとモチベーションが上がる」などの声が聞かれるなど、ルッキズムや性的ハラスメントの問題も抱えているように思います。
日本の社会で専業主夫や男性育休の割合が低いように、女子部員を支える男子マネージャーは稀有な存在です。女子マネージャーを取り巻く現状は、社会の縮図ともいえます。女子マネの在り方や役割に対する批判は、女子マネ個人に寄せられるべきものではなく、そうした役割を当たり前かのように扱ってきた社会の問題として捉えるべきではないでしょうか。
この点、当事者である私自身も違和感を抱えながら4年間を過ごしました。同じように「女子マネ」を取り巻くジェンダーギャップについて、違和感を持ったまま活動する、また活動を終えた女子マネージャーもいるのではないでしょうか。
そこでハフポスト日本版では、学生スポーツの女子マネージャー経験者(現役・過去)の体験や意見を募りたいと思います。こちらのアンケートにお寄せください。
マネージャーの性別によって立場に優劣がついたり、仕事内容に差が生じたりしませんでしたか?また、女子マネであることを理由にハラスメントや嫌がらせの対象となることはありませんでしたか?女子マネの役割やあり方は改善が必要でしょうか?
「このような経験がある」「こんな現状を変えてほしい」という声をこちらのアンケートにお寄せください。皆さんから寄せられた声をもとに、女子マネージャーを取り巻くリアルな状況やこれからの「女子マネのあり方」を探っていきます。
アンケート結果は、ハフポスト日本版の記事などで紹介する予定です。ご協力、何卒よろしくお願いいたします。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
部活の女子マネージャー、男子と役割や仕事に差?体験・意見を募集します【アンケート】