夏の暑さを東洋医学では「暑気」「暑邪」といいます。暑気負けしないための呼吸法や回旋運動、また、体にこもった熱を放出しやすくするためのツボを源保堂鍼灸院(東京都渋谷区)の瀬戸郁保先生に教えていただきます。
梅雨が戻ったような不安定な天気が続いていましたが、8月になると再び全国的に本格的な暑さが戻ってきそうです。
「日本の夏は暑いだけではなく、湿気がとても高く、呼吸をするのもやっとと感じることがあります。猛暑日が続けば熱中症の危険も高まります。
不快な暑さを和らげるためには、身体から熱を逃すことがポイントとなります。そのためには、まず身体の力を抜くことが大切です。弛緩することによって熱も逃げやすくなります。
もう1つ大切なのが、汗を上手にかくこと。汗腺の働きをよくして、汗を快適にかけるようにするツボも紹介しましょう」(瀬戸先生)
身体の力を抜くのに最適な呼吸法があります。また、呼吸法の後に回旋運動をすることで、さらに身体の緊張が抜けるといいます。次の手順で試してみてください。
(1)力を抜いて立つ
足を肩幅に広げて立つ。膝はぴんと張らず、力を抜いて軽く曲げておく。腕は軽く広げる。脇に卵をはさむイメージで、柔らかくふわっと。目は軽く閉じておく。
「呼吸法のポーズは、全身の力が抜けていくようにしていきます。どこかに力が入ってしまう人は、一度手や腕をぶらぶらして力を抜きます」(瀬戸先生)
(2)呼吸する
吸気は鼻から大きく吸い、呼気は口からゆっくり細く大きく吐き出す。この呼吸を5〜10回繰り返す。
「吸気は手の先から空気が入ってきて、その空気がお臍(へそ)に溜まるようなイメージで行いましょう。
呼吸法を行った後は、やる前よりも力が抜けていると思います。手をぶらぶらしてみて、力が抜けていることを確認しておきます」(瀬戸先生)
(3)回旋運動
下半身はそのままで、後ろを振り返るように上半身を回す。身体に余計な力が入らないようにして、手は自然と体に巻きつくように揺らす。1〜5分間この動作を行う。
「呼吸法で全身の力がほどよく抜けているので、そのまま気持ちよく回しましょう。できれば、膝も軽く上下に動かします」(瀬戸先生)
汗腺の働きをよくし、体にこもった熱を放出しやすくします。
(1)應下(おうか)
「手の外側の肘関節の少し下で、筋肉が重なっているところにあるツボです。痛気持ちいい程度の力でじんわりと5~20秒押し、数回繰り返します。左右両方に行いましょう」(瀬戸先生)
(2)通里(つうり)
「手首の内側の一番太いシワを小指側へなぞったときにあるくぼみから、肘に向かって親指1本分のところにあるツボです。指でグッと押すように5秒ほど押し、5秒かけて力を抜いていきます。5〜10回繰り返します」(瀬戸先生)
これからも厳しい暑さが予想されています。体調を崩さないよう、養生していきましょう。
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不快な暑さ…身体から熱を逃す「呼吸法」はこれ。暑さ和らげる「ツボ」も