ゴルフのタイガー・ウッズ選手が、サウジアラビアが資金援助する新ツアー「LIVゴルフ」に参加する選手について「メジャー大会への参加機会を危うくする」と、批判した。
ウッズ選手自身は、10億ドルのオファーがあったにも関わらず、このトーナメントへの参加を断ったと報じられている。
LIVゴルフは、サウジアラビアの政府系ファンドが資金支援をしているツアーで、参加選手に多額の賞金を支払うことで知られる。
6月に行われた開幕戦では、個人戦の優勝賞金が400万ドル(約5億4000万円)と報じられた。また、予選落ちがなく、最下位でも賞金を手にする。
しかし、このLIVゴルフはスポーツを利用して問題を覆い隠そうとする「スポーツウォッシング」だと指摘されている。
サウジアラビア政府は、ワシントンポスト記者のジャマル・カショギ氏の殺害を命じたことや、さまざまな人権侵害が批判されているからだ。
LIVゴルフに参加したアメリカのフィル・ミケルソン選手は、2月に掲載されたインタビューで、サウジアラビア政府を「恐ろしく最低」と批判する一方で、参加の理由を「またとない機会だ」と説明した。
一方、ゴルフのメジャー大会はLIVゴルフに反発しており、ウッズ選手は7月12日、全英オープンの記者会見で「LIVに参加する選手たちはメジャー大会で参加できなくなる可能性もあり、リスクを冒している」と指摘。
「彼らは、自分を現在のポジションにつかせてくれたものに背を向けている」と述べた。
LIVのCEOを務めるグレッグ・ノーマン氏は6月、ウッズ選手が「極めて多額の賞金を断った」とワシントンポストに明かしている。
そのノーマン氏は全英オープンで2度の優勝歴がある。しかし、LIVへの関与を理由に、今回の第150回記念大会に招待されなかった。
ノーマン氏は、この決定について「とても残念だ」「心が狭い」と オーストラリアゴルフダイジェストのインタビューで反発している。
一方、ウッズ選手は、ノーマン氏の参加を禁じた全英オープン主催者R&Aの方針について「正しいことだ」と述べた。
「グレッグは、私たちの試合にとって最善でないと思うことをやっている。私たちは、ゴルフのおそらく最も歴史的で伝統的な場所に戻ってきている。私はこれは正しいことだと信じている」
R&Aの決定の1カ月前には、PGAツアーがLIVに参加した選手の出場資格停止を発表した。
ウォールストリートジャナールは7月11日、この決定について司法省が独占禁止法違反の疑いで調査中だと報じた。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
タイガー・ウッズが「LIV」参加を批判。スポーツウォッシングを指摘されるゴルフ大会とは