「2100年 未来の天気予報」が衝撃。これを現実にしないために、今できること

史上最短で梅雨が終わり、連日40度に迫る猛暑が続いています。

もう夏本番…?という暑さなのに、蝉の鳴き声はまったくしないのが何とも不自然で、「ああ、気候変動ってこういうことか」と恐ろしさを感じています。

テレビなどで「記録的な猛暑」という言葉を目や耳にするたび、もはや「異常気象」が日常となりつつある…。そんな風に感じている人も多いと思います。

2100年のある夏の日の「天気予報」が衝撃

こうした猛暑には、気候危機も関係しています。

環境省の公式サイトにある「2100年未来の天気予報」という動画が見たことがあるでしょうか。

「2100年 未来の天気予報」より

このまま温暖化対策が進まずに人口増加と経済成⻑を続けた結果、産業革命以降に比べ平均気温が4.8度上昇した世界線に訪れる、2100年の夏と冬のある日の天気予報です。

2100年8月21日。

日本一を競う暑さで有名な埼玉県熊谷市のある日の最高気温は、44.9°C。22日目の40°C超えの激暑日です。

2100年の夏の最高気温は、札幌を含むほぼ全国で40°C超。熱中症などの熱ストレスで死者数は、1万人を上回りました。気象災害により、稲作や農作物の収穫量も年々減少。品質にも影響が出ていますーー。

2100年未来の天気予報 夏』より

2100年2月3日。

東京と京都の最高気温は25°Cを超える夏日。マラソン中に熱中症で搬送される人も。

温暖化の影響で大豆の収穫量は激減。この日は節分だが、豆腐や納豆、大豆はもはや高級食材で、豆まきなど考えられない。人工造雪機を使っても暑さで作った雪が溶けてしまい、年々閉鎖するスキー場が増加。

冬の積雪が減ったせいで、春以降の水不足が毎年発生。冬の寒さが足りず、鹿児島県の一部では桜が全く開花しない見込み。本州の一部地域では、咲くには咲くが満開にはならなず、また一つ四季の風物詩が消えていくーー。

 『2100年未来の天気予報 冬』より

気温や海水の温度が平均4°C上昇すると、気候災害が増えて保険加入者に支払う保険金が巨額となり、損害保険というビジネスモデルが崩壊するーーという予測もあります。

そうなれば、金融システムひいては社会システムの崩壊につながり、甚大な社会不安を招くことになります。

こんな未来を避けるために、今すぐに行動しなくてはいけないことは明白です。

パリ協定では、産業革命前と比べて平均気温の上昇が1.5°C以内に抑えられるよう、各国に取り組みを求めています。日本でも2030年までに温室効果ガスの排出量を46%削減(2013年比)するという目標を掲げています。

国家間や企業間の連携や大胆な産業構造の転換など、個人を超越したレベルでの取り組みが必要不可欠です。

7月10日には参院選も控えていますが、「気候変動対策」が争点にならないことに、個人的には危機感を感じています。

参院選、各政党の「気候変動対策」は?

ただ、WWF JAPANが7月1日に公開した各政党の公約比較によると、ロシアによるウクライナ侵攻や国内の電力需給逼迫などによる議論の高まりの中、各政党とも気候変動・エネルギー分野への公約での言及は増えているそうです。

再エネ政策など10項目について、WWF JAPANの公約評価を比較することができます。

また、早稲田大学マニフェスト研究所の公式サイトからも、「気候変動」や「エネルギー」など政策ごとに各政党の公約を比較することができます。

猛暑による電力不足や水不足は、経済的格差が命に直結するという深刻な社会問題を孕んでいます。ロシア産エネルギーをめぐる世界的な混乱を見ても、エネルギー安全保障や食糧安全保障は、外交や安保の大きなテーマでもあります。

一言で「気候変動」といっても、たくさんの政治的、経済的な問題と結びついています。

「貧困」から、「外交」から…様々な視点で、この猛暑を考える。そして、「2100年未来の天気予報」を現実にしないために、未来を選ぶことができる今この瞬間に私たちができることを行動するーー。

7月4日からはまた季節が戻り、7月中旬からいよいよ「夏本番」だそうです。

気温の変化についていくのが大変ですが、ご自愛してお過ごしください。

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「2100年 未来の天気予報」が衝撃。これを現実にしないために、今できること

Kasane Nakamura