「お母さんのポテサラみせてあげる」
Twitterに突如、そんなコメントともに、珍しすぎるポテトサラダの写真が投稿され、注目を集めている。
投稿したのは、はみがきさん(@___1_9_9_0)。
一般的な黄色っぽいポテサラのイメージとはかけ離れたその一品は、なんと紫色。
ぶつ切りのキュウリと和え、タッパーに詰められた状態で披露された。
ポテサラとしては風変わりな色合い。
Twitter上では、紫色のポテトと緑色のキュウリが一体になった見た目に「紫陽花にしか見えない」「一瞬、紫陽花に空目した」「綺麗でおしゃれ」などと、瞬く間に反響が広まった。
「スイーツかと思った」「着色料を使っているのかな」と作り方や仕上がりなどに驚く声もあった。
一体なぜ、「お母さんのポテサラ」は紫色なのか。ハフポスト日本版は、投稿者のはみがきさんに話を聞いた。
母が紫陽花のような紫色のポテサラを初めて作ったのは、およそ10年前。いつも通り黄色っぽいじゃがいもを買ってきたつもりが、「いざ切ってみたら、中身が紫色だった」というハプニングから生まれた一品だったという。
一度食卓に出してみると、はみがきさんを含む子どもたちから大好評。「はしゃいでポテサラの携帯で写真を撮る子どもの姿がよほどうれしかったのか、それ以来は母が作るポテサラは必ず紫色でした」
カレーライスがメインの日に、副菜として作られることが多かったという。
紫色のポテサラは、地元の名物というわけでもなく、はみがきさん自身も実家以外で食べたり目にしたりしたことはないという。「これほどインパクトのあるポテサラを作るのは母くらいだと、食べるたびに思っていました」
意図せず買ってしまった紫色のじゃがいもをきっかけに生まれた、紫陽花そっくりのポテサラ。気になる味はどうなのかーー。
「よくある黄色っぽいポテサラと同じような味でした。紫色だからといって特別においしいというわけでもないのですが、兄は『大学の学食のポテサラよりおいしい』と言っていました」
現在は60代の母。今も紫色のポテサラを作っていると思いきや、実はもう作っていないのだという。
「子どもが実家を出て、父と2人だけの生活になってからは、作っていないはずです。父はポテサラが好きではないのです。母は子どもの喜ぶ顔がうれしくて、紫色のポテサラを作ってくれていたのでしょう」
投稿された写真は、はみがきさんがまだ実家に住んでいた数年前に撮ったのだそうだ。
はみがきさんは「母のポテサラはあまり綺麗ではないと思っていましたが、『紫陽花のようだ』とコメントしてくれる人が多くて、うれしかったです」と話している。
農業・食品産業技術総合研究機構によると、じゃがいもを切った断面が紫色になるのは「シャドークイーン」「インカパープル」「キタムラサキ」といった品種。アントシアニン色素で、皮や果肉が紫や赤っぽくなるのだという。
紫色以外にも、ピンク色やだいだい色のじゃがいもも流通している。こうした通常の黄色っぽいじゃがいもとは異なる色のついたじゃがいもは「カラフルポテト」と呼ばれ、カルビーの「じゃがピリカ」をはじめ菓子製品の材料などとして人気がある。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
紫陽花そっくりの「お母さんのポテサラ」を見よ。10年前のハプニングで生まれた一品