今日29日(日)は、東北南部から西日本にかけて真夏のような暑さになり、東日本などで今年これまでで一番の暑さとなりそうです。
真夏のような高温多湿の空気が流れ込むわけではないため比較的カラッとした暑さですが、暑さに慣れていない身体で炎天下に長時間いると熱中症の危険性が高まります。
そこで、熱中症のサインを発見するポイントや危険な状態、緊急時の対応についてウェザーニューズ気象病顧問アドバイザーで愛知医科大学客員教授・中部大学教授の佐藤純先生に教えてもらいました。
・気分が悪い
・ボーッとする
・筋肉のこむら返りがある
・めまい
・立ちくらみ
・手足がしびれる
これらは代表的な熱中症の症状です。
「熱中症は、私たちの体の熱の産生と放出のバランスが崩れ体温が上がりすぎて、様々な症状を引き起こします。熱中症が疑われるときは、まずは日陰やクーラーの効いている屋内など涼しい場所に移動します。服をゆるめて熱を発散しやすくし、冷たい飲み物で水分補給するのが基本です」(佐藤先生)
・頭ががんがんする(頭痛)
・吐き気がする、吐く
・からだがだるい
・意識が何となくおかしい
このような症状が出てきたら、さらに重症度が増しています。
「冷たい飲料を自分で飲むようにします。大量に汗をかいているときは、経口補水液やスポーツドリンク、0.1〜0.2%の食塩水がいいでしょう。濡れタオルを身体にあてて扇いだり、冷たいペットボトルを太い血管のある脇の下、両側の首筋、足の付け根に当てるなどして、身体を冷やしましょう。しばらく休んでも症状が改善しないときは、誰かについてもらって医療機関を受診しましょう。ただし、周囲の人から見て意識がおかしいときは、すぐに救急車を呼びます」(佐藤先生)
・身体が熱い
・まっすぐ歩けない、走れない
・呼びかけへの返答がおかしい
・身体がひきつる(けいれん)
・意識がない
このようなときは、一刻も早く救急車を呼ぶ必要があります。
「重症度がⅠ〜Ⅱ度では汗をたくさんかきますが、重症度Ⅲ度になると汗をかかないこともあり、大変危険な状態です。救急車が着くまでも、上記のような方法で身体を冷やしましょう。意識が朦朧としているときは、無理に水を飲ませると窒息することがあるので危険です」(佐藤先生)
「熱中症は、気温や湿度などの“環境”、体調や年齢などの“からだ”、運動や水分補給の不足など“行動”面による条件が影響して発症します」(佐藤先生)
屋外では帽子や日傘を使う、水分をこまめに摂取する、日中の暑さを避けて活動する、といった基本的なことが大切です。また、室内で発症することも多いので、冷房を適切に使うなど、油断しないようにしましょう。
またマスク着用時は、熱がこもりやすい、気化熱による放熱が十分にされにくい、マスク内は湿度が高いためのどの渇きを感じにくく水分補給が不十分になりやすい等、特有の原因にも注意が必要です。密でなく、飛沫によるウイルス拡散リスクの低いような場所では、一時的にマスクを外す等の対策も有効かもしれません。
参考資料など
「熱中症環境保健マニュアル2022」(環境省)、熱中症予防情報サイト(環境省・http://www.wbgt.env.go.jp/)
【関連記事】
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
熱中症のサインとは?東京など広く警戒。予防のポイントと対応策